激戦区アキバにゲームセンター大手がカラオケ出店したワケ
カラオケ店についても、そうした立地を反映して、アニメソングや、初音ミクなどのボーカロイド楽曲を強化した大型店が近隣駅前を含めて数多く出店。第一興商の運営する「ビッグエコー」(JR秋葉原駅・昭和通り口)や、鉄人化計画の運営する「カラオケの鉄人」(JR神田駅・西口)などの大型店が集客を競い合う、東京都内でも有数の激戦区だ。
にもかかわらず、アドアーズのカラオケ新店は、「順調な出足。お盆の時期から、お盆過ぎまでいい調子が続いた」(同社経営企画部)という。8月10~12日には東京・有明の東京国際展示場(東京ビッグサイト)で日本最大の同人誌即売会「コミックマーケット(コミケ)」が開かれたが、国内外から集まったコミケ参加者たちが有明から秋葉原に直行したこともあって、開業直後の好調な集客につながったようだ。
アドアーズはゲームセンター運営会社としてはメーカー系列に属さない独立系の専業オペレーターで、メダルゲームのパイオニアとして知られる。前々期の2011年3月期には、不採算店舗・資産の整理や保有不動産の見直しにより、減損損失など42億円の特別損失を計上し最終赤字に転落。前期の12年3月期も不採算店を含む14店を一気に閉鎖するなど、本業のゲーム施設運営事業の建て直しと、財務体質の改善に取り組んできた。
この間、ネクストジャパンホールディングス(東証マザーズに上場していたが、Jトラストが完全子会社化し12年4月上場廃止)との資本提携を経て、6月末にJトラストの子会社となっている。