二子玉川は波乱万丈44歳が漂着する街だった 「狂った街TOKYO」での自らの地位を悟る
思えば、新卒で総合商社に入社してから今日に至るまで20年の月日が流れました。総合商社で調子に乗ったり、同期の活躍に落ち込んだり。挑戦だ!と意気込んでベンチャー企業へ転職しては、ストックオプションで揉めたり。そして自分で事業を始めてみて、ようやく自分の東京の中での立ち位置がわかってきました。
2015年初頭に盛り上がっていた、フランスの経済学者・ピケティのベストセラー『21世紀の資本』。その中のかの有名な「r>g」理論をご存知ですか?
r(リターン)の世界とg(グロース)の世界
r(リターン)は株や不動産など、資産運用から得られる利益率のことであり、g(グロース)は経済成長率。働いて得る、所得の伸び率を指します。これは働いて得られる対価より資産運用で得られる対価の方が大きいことを意味しており、労働者がいくらがむしゃらに働いても、資本家との富の格差が拡大し続けることを示唆しています。
商社マンとして労働者の中では比較的地位が高い世界を、ベンチャー企業の経営陣としてまさにストックオプションなどの株に絡む世界も見てきました。東京には株や不動産など、資産運用で富を築く人も大勢います。
結論としては僕は挑戦してみたのですが、r(リターン)の世界へいけるほどの能力はなかったと感じています。今のCRAFT JAPANも上場させたいとは思ってはいません。タケシのように四半期決算に振り回されたくはないですし、g(グロース)の世界で従業員ではなく経営者として地に足をつけた生活が、自分の性には合っています。
ご存知の通り、さほど頭がキレる方ではないので、r(リターン)の世界のことはよくわからず、能力値としても限界なのだと思います。相場で戦えるほど器用ではないのと、なにやら実体がないものが苦手なのです。