吉本興業のタイ事業を背負うタイ人の正体

韓流に負けない「日本のよさ」をもっともっと

――東南アジアは韓流に圧倒されているように見えます。日本が入れる余地がないのでは?

日本のタレント事務所に海外戦略がなかったのは、日本は1.2億人の市場を抱え、国内でビジネスが成立してしまうから。アグッレシブになる必要がなかった。韓国のタレント事務所は最初から世界マーケットを狙う。国内市場が狭い以上、事務所が成長すればするほど、海外へ出て行かねばならなくなる。

タイでも韓流が浸透している。僕らの世代は、日本の特撮やアニメを見て大きくなった。ところが、今の子供たちは韓流を見て、K-POPを聞いて育っている。10年後、20年後はどうなるか、と心配する向きがあります。

だけど、タイにはこれだけ日本車が走っているし、これだけの日系企業が進出している。タイ人が一番旅行したい国は日本です。

当たり前のように日本が日常生活に溶け込んでいる反面、えっ、これ、日本のモノだったの、というのが一杯ある。スマホの部品が代表例だし、「味の素」ってタイの会社じゃなかったの、とか。日本はブランディングが下手なんです。「日本のよさ」をもっと違った面から見せ、演出していくことが大事だと思う。

「クールジャパン」から「リアルジャパン」へ

――演出という点では、いわゆるクールジャパン戦略は必ずしも期待した効果を上げていないように思われます。

個人的な意見を言わせてもらうと、韓国が成功したから日本もやろう、ということでしょう。クールジャパン機構が、というより、取り組み方全体の問題かも知れない。

おカネを出せばいい、というものではない。フォローがなく、一発花火で終わっていることがもの凄く多い。この国に住んだこともない人が出張で来て、勘とフィーリングで何かやっても、歯車が噛み合わないでしょう。受け取る側にも問題があると思う。タダでもらえるなら、それを利用しようというタイ人やタイ企業が存在するのも事実ですし。

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