星野流、規模100倍の外資ホテルとの戦い方 独占!星野佳路代表に直撃インタビュー(下)
リゾートの再生にはファンドの資金が必要
――実家の「星のや軽井沢」は、星野リゾート・リート投資法人に売却している。トマムでは投資ファンドを選んだ理由は何か。
リート投資法人は性格上、完成した建物を買って、安定収入を得ることはできる。ただ、新しい建物を買ったり、リフトを掛け替えたり、リフトの近くにレストランを作るといった、開発を手掛けることはできない。
破綻したリゾートの再生現場においては、投資ファンドのようにリスクを取れる資金が必要だ。彼らは、再生が終わり、価値があがったときに、売却して利益を得ることを目的としており、それなりにリスクをとることができる。
そして再生が完了し、収益が安定期にあがるようになると、価値は急にあがらない。一般的な再生期間において、最初にリスクがとれる会社はどこにするのか。再生が完了した時点で、安定して所有する会社はどこにするのか。決めることはとても大切だ。
――運営会社なのに、そこまで投資会社を意識して経営する理由は?
顧客満足度をあげるには、投資をするしかない。
日本の観光産業は、スタッフというソフトの質という点では、世界レベルにある。
そのスタッフが活躍する舞台であるホテルや旅館は、バブル経済のころ、20年以上前に建てたものを大事に使っている。
(施設という)ハードと(人材という)ソフトはクルマの両輪だ。20~30年前に建てられた施設では、どんなにスタッフが優秀でも、力をすべて発揮することはできない。
経営者の役割はお金を調達すること、スタッフが働きやすい舞台を作ることにある。だから、経営者の僕が発言すると、投資となってしまう。
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