星野流、規模100倍の外資ホテルとの戦い方 独占!星野佳路代表に直撃インタビュー(下)

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──星野リゾートの自社直営や運営受託を含めた、グループの取扱高は、約400億円。マリオットによるスターウッド買収が成功すれば、単純合算で売上高は427億ドル(約5.1兆円)となる。2ケタも規模が違う相手に、どう戦いを挑むのか。

星野佳路(ほしの よしはる)/1960年生まれ。米コーネル大学大学院を経て、日本航空開発(旧JALホテルズ、現オークラ ニッコー ホテルマネジメント)に入社。1991年に星野温泉に戻り社長に就任。現在はグループの代表を務める(撮影:梅谷秀司)

海外の運営会社には、どのホテルも運営が同じという問題点がある。マリオットの総支配人が翌日、ヒルトンの総支配人に、ハイアットのシェフが、翌日にはヒルトンのシェフになっていたりする。

世界の投資家に話を聞くと、彼らに対しては、「誰でもできる運営をしている」という不満を持っている。

今、世界の大都市には、高級ホテルのブランドが60ぐらい存在している。マーケットセグメントがそれほどあるわけではない。

東京には「パークハイアット」があるので同じブランドは使えない。今度は「アンダース」を作ろうという、オーナー側の事情によるものだ。

本来、ブランドというのは、顧客との信頼関係を築くことのはず。オーナー側の事情で、顧客の信頼を得ていないブランドが増えすぎてしまった。

消費者も60もブランドがあると、自分にあったブランドがわからないから、結局はエクスペディアのようなオンライン予約サイト(OTA)やトリップアドバイザーのような口コミサイトを見ないと、選べない状況が生じている。

増え過ぎた外資系は再編の必要があった

オーナーの事情で、そういう状態になってしまったことに対する反発は、当然ある。ブランド評価で有名な、インターブランド社が発表している「世界のトップ100ブランド」に、ハーレーダビッドソンやソニーは入っているのに、ハイアットやマリオットなどホテルはひとつも入っていない。

星野リゾートは旅館メソッドを武器に、規模が2ケタ以上も違う、世界のホテル運営会社に戦いを挑む

運営会社の再編などを通じて、ホテルのブランドは消費者から見て正しい数まで収束することが、どこかで起きると思っていた。

投資会社にとっても、運営会社は誰でもできる運営をしているし、ブランドが増えすぎて、OTAに高い手数料を支払う、耐え難い状況になっている。

そこに星野リゾートは、旅館メソッドで答えていきたいと思っている。僕たちは生産性の高い運営方法ができる。ほかの運営会社と違う方法ができることが、いかに小さくても投資家に選んでもらえるポイントになる。

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