星野流、規模100倍の外資ホテルとの戦い方 独占!星野佳路代表に直撃インタビュー(下)
──星野リゾートの自社直営や運営受託を含めた、グループの取扱高は、約400億円。マリオットによるスターウッド買収が成功すれば、単純合算で売上高は427億ドル(約5.1兆円)となる。2ケタも規模が違う相手に、どう戦いを挑むのか。
海外の運営会社には、どのホテルも運営が同じという問題点がある。マリオットの総支配人が翌日、ヒルトンの総支配人に、ハイアットのシェフが、翌日にはヒルトンのシェフになっていたりする。
世界の投資家に話を聞くと、彼らに対しては、「誰でもできる運営をしている」という不満を持っている。
今、世界の大都市には、高級ホテルのブランドが60ぐらい存在している。マーケットセグメントがそれほどあるわけではない。
東京には「パークハイアット」があるので同じブランドは使えない。今度は「アンダース」を作ろうという、オーナー側の事情によるものだ。
本来、ブランドというのは、顧客との信頼関係を築くことのはず。オーナー側の事情で、顧客の信頼を得ていないブランドが増えすぎてしまった。
消費者も60もブランドがあると、自分にあったブランドがわからないから、結局はエクスペディアのようなオンライン予約サイト(OTA)やトリップアドバイザーのような口コミサイトを見ないと、選べない状況が生じている。
増え過ぎた外資系は再編の必要があった
オーナーの事情で、そういう状態になってしまったことに対する反発は、当然ある。ブランド評価で有名な、インターブランド社が発表している「世界のトップ100ブランド」に、ハーレーダビッドソンやソニーは入っているのに、ハイアットやマリオットなどホテルはひとつも入っていない。
運営会社の再編などを通じて、ホテルのブランドは消費者から見て正しい数まで収束することが、どこかで起きると思っていた。
投資会社にとっても、運営会社は誰でもできる運営をしているし、ブランドが増えすぎて、OTAに高い手数料を支払う、耐え難い状況になっている。
そこに星野リゾートは、旅館メソッドで答えていきたいと思っている。僕たちは生産性の高い運営方法ができる。ほかの運営会社と違う方法ができることが、いかに小さくても投資家に選んでもらえるポイントになる。
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