星野流、規模100倍の外資ホテルとの戦い方

独占!星野佳路代表に直撃インタビュー(下)

――クルマの両輪ということだが、2014年の東洋経済のインタビューでは「ホテル業界のトヨタを狙う」としている。星野リゾートのブランドポジションからすると、フェラーリやポルシェなど、もっと尖ったブランドという印象がある。

トヨタ自動車九州の高級車「レクサス」生産ライン

そんなことはない。やっぱり目指すのはトヨタだ。かつて、自動車メーカーとしては、米ゼネラル・モーターズ(GM)が世界最大だった。

後発のトヨタ、日産、ホンダが世界に進出し、成長できたのは、生産性の高さがあったからだ。

規模の経済によるメリットだけで考えれば、当時のトヨタは、GMには絶対かなわなかった。そこを、トヨタは各工場の生産性を高めることで、巨大な差を埋めていった。

日本のサービス産業は、圧倒的に生産性が低い。星野リゾートは、生産性を改善する手法について、ヒルトンやマリオットよりも、製造業から多くのことを学んできた。ホテルの中で、一番労働集約な作業は、部屋の清掃と調理だ。

旅館メソッドで外資系ホテルに挑む

大量に時間を投下している、この2つの作業の生産性を高めるため、トヨタでいう多能工化、われわれの言葉でいう「サービスチーム」や「マルチタスク」で、生産性を高めてきた。

12月2日には日本政策投資銀行と組んだ旅館再生専門のファンドを立ち上げると発表した(右は政投銀の関根久修・常務執行役員)

世界のホテルの運営会社はみんな同じ。マリオットもヒルトンもハイアットも、同じ方法で運営されている。

彼らと同じ運営方法をしていては、規模の大きな外資系の運営会社に勝てない。大事なのは個々のホテルの生産性だ。星野リゾートは旅館出身で、外資系のホテル運営会社とは違う。

だからこそ、生産性や収益力、サービスの質が高くて、投資家も高いリターンを得られるということが大事。僕はこれを「旅館メソッド」と呼んでいる。

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