「月に囚われた男」の魅力を知っていますか 良質なSF映画には強烈な衝撃がある

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『アイアン・スカイ』
『アイアン・スカイ』(2013年/フィンランド/ドイツ/オーストラリア/110分※ディレクターズ・カット版)

「月面ナチス」! とにかくこの奇想天外な発想がすべてのSF映画だが、単なるコメディかというと、これがSFファン感涙のマニアックなCGカットが満載で、メジャーSF大作に引けを取らない“魅どころ”いっぱいの好作品なのだ。2018年、アメリカ大統領スタッフにより、選挙PR目的で月に送り込まれた黒人モデルのワシントン。月面で彼が遭遇したのは、なんと第二次世界大戦後に地球を離れ、月に逃亡していたナチスだった!「月面ナチス」は、密かにこの地に第4帝国を築き、地球征服の機会をうかがっていたのだ……。地球防衛軍との攻防は、ぜひとも見てお楽しみを!

『月に囚われた男』
『月に囚われた男』(2009年/イギリス/97分)

久々のワン・アイデアが勝負のSFミステリー秀作。近未来。ルナ産業と3年契約で月へ派遣されたサム・ベル(サム・ロックウェル)は、エネルギー源“ヘリウム3”を採掘して地球へ送る作業をたった一人でこなしていた。唯一の相棒は人工頭脳搭載のロボット、ガーティのみ。なぜか地球との交信も不能となり、愛する妻テスとの会話もできず、サムは日々孤独感にさいなまれていた。そしてこの過酷な作業の契約期間があと2週間と迫った時、作業中に事故を起こしてしまう……。管理ロボット、ガーティの(表情が変化する!)ニコちゃんマークがいい感じ。

『プリズナー・オブ・パワー囚われの惑星』
『プリズナー・オブ・パワー囚われの惑星』(2008年/ロシア/120分)

ロシアンSF映画の隠れた秀作。西暦2157年。大宇宙を探査中に、謎の惑星に不時着したマクシムは、その星の親衛隊に捕まり、首都へと移送される。この星が “匿名の父たち”が支配する惑星サラクシだと知らされたマクシムは、国を護る親衛隊の候補兵となる。しかし、実はその“匿名の父たち”こそが、民衆を陰から支配し脅かす軍事独裁政権である事実を突き止め……。コピーどおり「空前のスケール! SF映画の新たな金字塔誕生!」とまではいかないが、奇妙なノスタルジー感漂う街並み(『ブレードランナー』からの影響?)などは、確かに引きこまれる。

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