残念!人望がない上司は「ひと言」足りない ANA上司の「すごい気づかい」ベスト3
とくに朝の時間帯は、食事もあれば、歯磨きや洗顔、身支度などもあり、慌ただしいもの。ただ単に上司を待つために先に来て、5分も10分も時間を過ごすのであれば、その時間を有効に使ってほしい、という気づかいと言えます。
そのベテラン機長は「実際に、待ち合わせ場所に行くときも、自分が早く到着し過ぎていることがないようにしています。部下にとって無言の重圧になりますので…」と言います。部下が上司の時間を気にするのは一般的ですが、ANAでは、その逆の気づかいも行われているのです。
2、後輩の「成功体験」をお膳立てする
気づかいに関してCAの間で語り継がれている、こんな失敗談があります。
ある若手CAは、ベテランCAがお客様に席で毛布をかける姿を見ました。「すばらしい気づかい! 自分も真似しよう!」
そして、いざ、彼女がお客様に毛布をかける機会がきました。薄着で目をつぶって、どうやら眠り始めたお客様がいます。彼女は、先輩CAの毛布のかけ方とまったく同じ動きで、お客様に毛布をかけました。完璧な動作です。
ところがその数秒後、毛布をかけられたお客様がつぶっていた目を開けて、その若手CAにこう言いました。
「ちょっと! 暑いんだよ!」。このお客様にとって、毛布をかけられることは、暑くて不快なことだったのです。
失敗をどのようにフォローするか
相手に不快な思いをさせずに快適さを提供するのは、実はとても難しいこと。相手がどう感じているのかをよく観察して、なにをするのが(あるいはしないのが)相手の心を満たすかを熟考し、判断しなければなりません。特に経験の浅い若手のCAにとって、こうした判断は決して簡単ではないのです。
こんなときもANAでは、先輩が後輩に対して気づかいすることを怠りません。お客様に怒られてしまい、しょんぼりしていた若手CAに、チーフパーサーがお客様の目につかないギャレーで声をかけました。
うまくいかなかった理由を一緒に考え、自分から関連するような失敗談を示し、さらにそれをどう改善していったかを示したわけです。若手CAは、「今度からはここに注目すればよい」という改善点と、「自分だけではないんだ」という安心感を得ることができました。