「デザインというと外見的な話に終始しがちですが、スタートアップのデザインでは、サービスを正しく設計することに注力したい」(デザインのメンターの深津貴之氏<THE GUILD>)
「マーケティング=広告ではありません。マーケティングの本質は、サービスや商品が必然性をもって売れる設計をすることです」(マーケティングのメンター 彌野泰弘氏<Bloom&Co>)
HEART CATCHプログラムでは、支援先において一定の方法論に基づいて、「顧客を見ること」を徹底して繰り返し、そこから顧客像の具体化をして、製品・サービスの設計に採り入れています。また、方法論に基づいて「顧客に伝えること」を明確にストーリーとして確立し、見せ方と市場への道筋を明かにしています。その結果、5社の企業すべてに、明確な変化が起こりました。
スタートアップにとって、十分な事業計画作りや組織作り、事業実施のための資金調達は重要な項目ですが、同様にデザイン、マーケティングの検討も早い段階から取り入れる必要があると思いました。特に、供給側がプッシュする形になりやすい技術系・ものづくり系のスタートアップについてはその必要性が一層高いと、参加企業のプレゼンテーションを聞きながら考えました。
デザイン、マーケティング導入の課題
一方で、人材や資金など経営資源の乏しいスタートアップが、デザインやマーケティングに力を入れるのにはハードルがあります。クリエーター集団を束ねて活躍する、面白法人カヤックの柳澤大輔社長は、パネルディスカッションにおいて経営者の立場で次のように語ります。
「デザインやマーケティングにどこまで取り組めるかを経営の観点から見ると、投資額の回収がどうなるかということにつきる。マーケティングは比較的に効果を数値化しやすいが、デザインは経験と直感に頼るところが大きい。その中で、できるだけプロセスや効果を数値化、言語化して、科学的に進める、再現性を高める、といった努力が重要です」
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