日立社長、「2016年の中国はさらに厳しい」 中期計画は15年度が最終年、次の戦略は?

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――米国の利上げなどによる新興国への影響は。

2015年度は中国のビジネスで1兆2400億円の売上高を考えている。昇降機やATMなどにブレーキがかかっており、このような製品は、競合相手と値下げ競争になってくる。中国の環境は、2016年度以降もさらに厳しい状況になると見ている。

――原子力事業の今後の方針は。

新規で進んでいるのは、英国のホライズン社の原発新設プロジェクトだ。炉型の認証過程が4段階ある中で3段階まで完了し、最終段階に入っている。2018年度までには終わるので、その後建設に入る。

輸出か、それとも地産地消か

原子力事業に参入しているということは、廃炉処理までメーカーとして責任を負わなければならない。廃炉処理は福島第一原子力発電所を中心に進む。再稼働も九州電力の川内原子力発電所のPWR(加圧水型原子炉)が立ち上がった。日立が担当しているBWR(沸騰水型原子炉)の再稼働もあるので、それをきっちりとやっていく。技術者を100年単位で抱えていかなければならない責務がある。

――家電事業は円安の進行で、国内回帰をしているメーカーも多い。

日立の家電事業は、国内回帰というより国内で大半を作っている。海外売上高比率がまだ低いので、今後はグローバル展開を加速しなければならない。今の円安メリットを活かして輸出するのが良いのか、地産地消にするのか考えなければならない。

――東芝の会計問題を受け、新日本監査法人に処分が下される見通し。同じ監査法人を使っている日立に影響はないか。

新日本監査法人は、米EY(アーンスト・アンド・ヤング)などのグローバルの連携が非常に強い。過去ずっと日立は監査をしていただいている。私としては中身を含めてよくチェックしていただいていると思っている。処分はまだ存知あげないので、回答する立場にない。

富田 頌子 東洋経済 記者

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とみた しょうこ / Shoko Tomita

銀行を経て2014年東洋経済新報社入社。電機・家電量販店業界の担当記者や『週刊東洋経済』編集部を経験した後、「東洋経済オンライン」編集部へ。

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