旭化成建材に"丸投げ"した日立子会社の疑惑 杭データ改ざんの横浜のマンションに関与
丸投げだったのか――。
日立製作所子会社の日立ハイテクノロジーズが杭のデータ改ざんが問題となっている横浜のマンション工事に関与していたことがわかった。三井住友建設の一次下請けとして旭化成建材に発注し、工程の進捗確認や現場の安全確保等を担当していた。
建設業法では一次下請けであっても、主任技術者を現場に置かなければならないことになっている。だが、日立ハイテクの人物が現場にいたかは定かになっておらず、「丸投げ」の疑いが強まっている。
決算説明会では「調査中」と繰り返すだけ
日立ハイテクは問題発覚後、10月15日に「当社請負杭工事の不具合に関するお知らせ」を出したきり、説明の場を一切設けていない。唯一、公の場に幹部が現われたのは10月26日の2016年3月上期の決算説明会だった。その場で、経緯についての説明や謝罪があるとみられたが、出席の宇野俊一執行役常務は決算報告に終始。記者から質問が出るまで横浜のマンション問題には一切触れなかった。
決算発表の場とはいえ、聞かれるまで問題に言及しなかった姿勢には疑問符が付く。住民への保証や責任の有無などの質問に対しても、「調査中ということでご理解いただきたい」と何度も繰り返した。
丸投げがあったかについては、「そういう(丸投げ)認識はない。契約に沿った業務を遂行している」(宇野執行役常務)と述べている。
日立ハイテクは、2001年10月に日立製作所グループの日製産業と日立製作所の半導体製造装置や計測器事業が合併して設立された。日立製作所が51.64%(2015年3月期末)を出資する日立グループの主要企業でもある。柱は半導体製造装置部門や血液分析装置などの医用機器部門で、この2分野で約9割の営業利益を稼いでいる。今回問題になっている現場の工程管理などの建設関連事業は商社部門が担当し、「売上高に占める割合は数%程度」(日立ハイテク幹部)と主力ではない。
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