新築マンションを買えない時代がやってきた

いまベターな選択といえるのは注文住宅だ

資材費や人件費の高騰もあり、大手ゼネコン施工の新築マンションを購入することは難しくなってきそうだ(撮影:今井康一)
人生における大きな買い物といえば「家」だが、これからは「新築マンション」を買いたくても買えなくなるかもしれない。大手住宅メーカー商品開発者を経て、現在建築事務所APOLLOを経営する黒崎敏氏によると、横浜市の「傾きマンション」のように、施工不良案件が増えるかもしれないという。そこで、今回から3回にわたり新築マンションを買えない時代の「失敗しない家の選び方」をお届けしよう。第1回の今回は「新築マンションを買えない時代がやってきた」である。

 「いつかはマンションを購入しよう」

そんな希望を抱いている方々にはたいへん申し訳ないが、新築マンションが買えなくなる時代がすぐそこまで近づいている。

2014年ころからマンションの着工数の減少が続いている。建築コストが高騰しているため、計画自体の見直しが相次ぎ、いざ建設が始まっても計画通りに進まなくなっていることが主な原因だ。建築コストがかかれば販売価格を上げるしかないのだが、高値で売り切るのは難しい。こうして着工数自体が減っている。

ゼネコンのマンション建設は「おつきあい」

新国立競技場の建設が見直しになった際に盛んに報道されたため、資材や人件費が高騰していることは世に広く知られるようになってきたが、実はマンションに関していえば事態はさらに深刻だ。

一般建築と比べてマンション建築は粗利率が低い。景気とは関係なく、粗利率が低いのはマンションの宿命ともいえる。そのため、大手ゼネコンにとってマンションの建設は、そもそもデベロッパー(不動産会社)とのおつきあいで成り立っている。人材が不足し、資材の値上がりが続いている昨今、大手ゼネコンがマンションを積極的に建てようとするマインドが低下するのも無理はない。

職人不足による品質低下も大きな問題だ。建設に携わる人間が減少するとどうなるか。技術が十分に継承されず、品質は低下していく。職人の数が少なくなっているだけでない。建築需要が多く多忙すぎることで、職人のモチベーションが落ちているのも由々しい事態だ。

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