新築マンションを買えない時代がやってきた いまベターな選択といえるのは注文住宅だ

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現場ではレベルの高い仕事をしようとする雰囲気が薄れ、「何が何でもここまでは仕上げよう」という職人の目標達成意欲は明らかに低下している。仕事への姿勢は受け身になり、「やれることさえやればいい」という冷めた考えが蔓延している。その結果、工期は伸びるのに品質は向上しない。人口減少で売り手市場になるということは、いわば職人が急激に「サラリーマン化」するということなのである。

このことは5年前と比べても明らかで、実際に現場に足を運ぶと如実に感じることができる。人命に関わる部分での瑕疵こそ見られないものの、それ以外の部分で品質低下は避けられない状況である。

玄関豪華で外壁チープな物件

エントランスホールは豪華なのに、外壁はチープというようなアンバランスな新築マンションも目立つようになった。これは、計画の最中に建設コストが上がったことで、実行予算内でなんとかコスト調整した結果に他ならない。最初に派手な広告を打っている以上、エントランスや住戸の仕様について大きな変更はできない。そこで、外壁やまだ変更可能な仕様の品質を落とすことで、全体コストを調節しているわけである。

率直に言って、プロである私たちにもわからないような調整を施して完成しているマンションも少なくない。販売価格と販売時期はどうしても動かせないことから、他の部分で全体的に無理をしていることも多い。それゆえ、いざふたを開けてみると、期待以下のクオリティのマンションが多くなる。当然、こうしたマンションは劣化も早く、価値も急落しがちだ。これでは、マンション購入がギャンブルだと言わざるをえない。戸建てであれば建て替えもできるが、マンションは協同組合事業なので、自分たちの意向だけで建て替えを推進するのは難しい。

品質の低いマンションは、リノベーションを行っても結局また維持費がかかる。インフラを調査した上で修復する場合は特に手間がかかり、実際の費用は新築とほとんど変わらない場合も多い。フルリノベーションを行っても、数年経てばまたメンテナンス代が発生してしまう。

余計なものを取っ払ってスケルトンにしてしまい、思い切って土間をコンクリートにするとか、イケアや無印良品の家具を入れてミニマムに暮らすというのであれば、リノベーションにお得感を感じるだろう。しかし、ローンを組むのはリノベーションより新築の方が断然有利なので、「親から譲られた愛着ある家なので壊したくない」といった強い思い入れがない限り、更地から作る新築のほうが合理的な選択肢と言わざるをえない。

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