トヨタ「パッソ」、16年刷新する次期型の全貌 基本設計を転用する新モデルの観測も
2代目パッソのガソリンエンジンは1000ccと1300ccの2種類を設定しているが、3代目パッソは1000㏄のみとなる。このユニットはトヨタとダイハツの共同開発により、現行モデルの途中で新搭載された燃費性能に優れるエンジンで、さらなる燃費性能を向上させて「コンパクトカー・ナンバーワン」の低燃費性能を維持。FF(前輪駆動)モデルで「2020年燃費基準+20%」を目指すようだ。この目標を達成すると、現状では2017年4月から自動車取得税廃止後の新税では免税対象となりそうである。
エクステリアデザインなどの詳細はわかっていないものの、2代目が「標準グレード」とおしゃれ仕様の「+Hana」の2タイプが設定されているのに対し、3代目では「+Hana」に代わって、「MODA(モーダ)」というタイプが設定される。モーダは軽自動車によく設定される、エアロ系モデルのようなスタイリッシュモデルになるとの情報もあり、全体的に見ると、現行モデルより「かわいい路線」は抑えられるようだ。
「スマートアシストⅡ」の採用
そして次期パッソの最大の目玉が低速域衝突回避支援システム「スマートアシストⅡ」の採用である。パッソはダイハツからのOEM(相手先ブランドによる生産)なので、このシステムは、新型プリウスに搭載されている「トヨタセーフティセンス」ではない。2代目パッソには同様のシステムの設定はないので、3代目での採用は強力な販促ツールとなるはずだ。
パッソから見ると、上位に当たる1300~1500ccのガソリンエンジンをメインとするコンパクトカーの分野では、トヨタ「アクア」とホンダ「フィット」が強みを見せている。アクアは言わずと知れたハイブリッド専売モデルでフィットはハイブリッドが販売の主力、そしてマツダ「デミオ」もクリーンディーゼルの人気が高く、よく売れている。
2016年には日産自動車「ノート」もスズキの「エネチャージ」のようなクルマの発電にムダなガソリンを使わないシステムを搭載したモデルの追加発売があるとの情報もある。2016年にフルモデルチェンジ予定とされているスズキ「スイフト」も、まもなく「ソリオ」に搭載予定のストロングハイブリッドシステムを採用する可能性が高いし、トヨタ「ヴィッツ」にもハイブリッドモデルが追加となるなどのうわさも飛び交っている。
つまりこれらのモデルが属するクラスでは、今後はハイブリッドやクリーンディーゼルを販売の中心にして、存在感を高めていく傾向が強まりそうなのである。
そうなると軽自動車との価格面も含めた競合へ対応し、そして軽自動車とアクアやフィットクラスの中間を補完する意味で重要となってくるのが、トヨタにおけるパッソや日産「マーチ」、三菱自動車「ミラージュ」あたりとなる。パッソがここでフルモデルチェンジすることで商品力を向上させ、ライバルに差をつけられる。
1000㏄のコンパクトハッチバックから軽自動車に乗り換えた知人によると、「思ったほど燃費は良くないし(実走行レベルでの話)、燃料タンクが小さい(例:パッソ40L/スズキ「ワゴンR」27L)ので、給油頻度も多くなった」と不満を漏らし、「次回はリッターカー(排気量1000ccクラスのガソリンエンジン車)にする」と話していた。
人それぞれだろうが、購入時も含めた税金などの諸経費負担が軽いことを除けば、納得できる性能(モード燃費ではなく実走行レベルでは燃費性能はほぼ互角ともいわれている)や装備内容となっていれば、軽自動車に対してコンパクトハッチバックの「ツケいる隙」は十分ある。
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