ロードスターがS660との接戦に勝ったワケ 日本カー・オブ・ザ・イヤーを10倍楽しむ方法

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日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞したロードスターと、僅差で敗れたS660。勝敗を決めたポイントはどこにあったのだろうか(撮影 : 梅谷秀司、尾形文繁)

今年で第36回を迎えた2015-2016日本カー・オブ・ザ・イヤー(COTY)は、マツダ「ロードスター」が受賞した。今年の選考は、ロードスターが同じく2人乗りオープンカーのホンダ「S660」との接戦を制したうえでの栄冠に輝いたこともあって、発表会も大いに盛り上がった。

カー・オブ・ザ・イヤーとは?

そもそもCOTYとは、その年に日本国内で発表される市販の乗用車の中から、年間を通じて最も優秀な車を選ぶ表彰制度だ。それぞれ25点ずつを持った60人の選考委員が、ベスト10に残ったクルマの中から、COTYにふさわしいと思うクルマを5台選んで配点する。本賞に値すると思うクルマに10点、残りの15点を4台に1〜9点の範囲で配点する仕組みだ。

手前みそだが、筆者の場合はマツダ「ロードスター」10点、ホンダ「S660」7点、ジャガー「XE」6点、BMW「2シリーズ・アクティブツアラー」1点、テスラ「モデルS」1点とした。筆者が2009年に初めて選考委員に任じられた頃は郵送による投票だったが、数年前からウェブ投票になった。

ここまでサラッと書いてはみたものの、今年のCOTY選考期間には市販で500台以上の実績がある新車は45台もあり、その中から1台に絞るのはいくらプロとして自動車を評価しているとはいっても、頭を悩ませる作業だ。さらに、最終選考の前にベスト10台を選ぶ時点で、すでに頭を悩ませている。

しかも今年は、普通のサラリーマンでも手が届く価格帯で夢のあるオープンカーが2車種もあるうえに、実用的で手が届く価格帯にもかかわらず、乗って楽しいクルマが4車種、完成度の高いセダン/ワゴンが2車種、次世代を見据えたハイブリッドや電気自動車が2車種あり、それぞれに個性的で楽しかったり、技術的な見どころがあったりしたのだから、例年以上に悩んだ選考委員が多かったようだ。

ちなみに、最終選考に先んじて、ベスト10に残ったクルマをレーシングココースの「富士スピードウェイ」(静岡県駿東郡小山町)に集めて、外周路での試乗会が催されるのだが、筆者はこの日がとても好きだ。普段、自動車、メーカー主催の試乗会では、たとえフルラインナップ試乗会であっても、1社単独のモデルしか乗ることができない。

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