イオンがビール不当廉売で自社の潔白を主張、販売価格値上げも拒否

ディスカウントストアなど、ブランド別ではイオンより安いチェーンもある。だが、地方の酒類専門小売りにとって、ライバルは郊外ショッピングセンターを全国展開するイオンであるケースが圧倒的に多い。6缶パックどころか、段ボール1ケース単位で購入する地方の車客にとって、「イオンと100円違えば致命的」(関係者)だ。

イオンはGMS(総合スーパー)改革で、店内の酒売り場を「イオンリカー」として独立させ、路面店での出店を加速させている。皮肉にも調査の入った11年11月は、中四国首位の食品スーパー、マルナカ2社を買収し「売上高日本一」を標榜し始めた頃。一罰百戒で標的にされたわけでもないだろうが、勢力を広げるイオンが全国的に摩擦を生じやすくなっているのも事実だろう。

ビール税は酒税合計1兆3257億円(10年度)の5割弱(6412億円)を占める“大口商材”。国税庁はホームページで公正取引と不当廉売に触れ、「酒類の販売価格は、製造及び流通に携わる個々の企業が自主的に決定すべきものではありますが、酒類が多額の酒税を負担している財政物資であること及び国民の消費生活に関係の深い物資であることから、酒類業者の経営の健全性の確保と国民の消費生活の安定との両面の要請に応え得る合理的かつ妥当なものとすることが望ましい」との見解を示している(http://www.nta.go.jp/shiraberu/senmonjoho/sake/qa/12/49.htm)。

イオンも「より経費を削減する方法を卸と話し合っていく」(横尾博専務執行役)としており、値上げを避けつつも大枠で公取委の意向に応じる姿勢。ただ、「メーカーに建値引き下げを要求できるはずもなく、大手スーパーとの取引も切れない。経費削減はもう限界」(食品卸)と、卸の悲鳴も聞こえてきている。万が一、協議の着地点が見えない状態が長引けば、リベート以外にメーカーと卸の間で不透明な取引はないのかなど、別な観点での再調査が入る可能性も否定できない。

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