イオンがビール不当廉売で自社の潔白を主張、販売価格値上げも拒否
三菱食品など食品卸大手3社が、ビール類を原価よりも安い価格でイオンに卸売りしていたとされる問題に絡み、イオンは公正取引委員会が食品卸3社に不当廉売(独占禁止法違反)で警告を行っても、卸からの値上げ要請には応じない意向だ。
イオンは7月23日、この問題について都内で記者会見した。8月上旬にも出される公取委からの警告と同時に、イオンと卸3社が協議のテーブルにつくよう公取委が何らかの形で求めてくると報道されたことに予防線を張った格好だ。
追い詰められた卸3社(三菱食品、伊藤忠食品、日本酒類販売)の対応が注目される。今後の展開次第では、今のところ沈黙を保っているビールメーカーと卸の取引内容の透明化にまで飛び火する可能性もゼロではない。
公取委がイオンへの調査を始めたのは昨年11月。イオンのビール類の販売価格が安すぎると近隣の小売店が告発したことが発端とされるが詳細は不明。商品本部長への追究は長時間に渡ったが、イオンが不当廉売を行っている証拠が得られず、卸への警告に切り替わった様子だ。公取委は今月20日付で、卸3社に対して警告の前段階に当たる「事前通知」を行ったとされる。
「財務省酒税局を含め、国税側のスーパーへの調査は日常茶飯事」(食品スーパー)で、特売期間が終わっても売価を通常価格に戻さないこと等で個店が改善報告書を提出させられる例も多いという。ただ、行政処分は伴わないながら警告まで発展するのは異例。発令前の7月21日にメディアで報じられたのは、公取委から事前通知がなされたためで、社会的制裁効果も意図したものだ。
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