次の職場が、より理想的とは限りません。それどころか、次の職場が見つかるかどうかの保証はどこにもないという不安もあります。もう自分には、それほど職業選択の時間がないという焦りの気持ちでいっぱいになり、精神的不調に陥ることも珍しくないのです。
一方、30歳を目前にした女性から増えてくる相談が、結婚に関するものです。アラサーは「婚活世代」ともいわれますが、このころから、結婚、出産をより意識する傾向が強くなっているように思います。「いつか結婚したい」という願望が「本当に結婚できるのだろうか」という不安にシフトしてくるからでしょう。
周りに結婚している人が増えてくれば、なおさらです。自分は自分と割り切っているつもりでいても、実際は「取り残された感」に苦しむ人も多くいます。それに結婚は相手がいることですし、そのプロセスは一筋縄ではいきません。働きながら、同時に婚活にもエネルギーと時間を注ぎ込むのは、実際問題、容易なことではありません。
しかも、独り身の自由で楽しい生活に慣れてしまっていると、結婚へのモチベーションを保つこと自体が難しいという問題もあります。結婚するかしないか、選べる時代だからこそ、悩みが多くなってしまうのですね。
会社のリーダー研修が、転職の決定打に?
では、この年代の男女が憂鬱な状態に陥らないためには、どうしたらよいのでしょうか。それには、やはり日頃から自己としっかり向き合う姿勢がもっとも大切だと思います。
入社5年目以降になると、リーダー育成のための初期研修を導入する企業も少なくありません。そこで多く実施されるのが、自己理解を深め、長期計画を考えるようなプログラム。このタイミングで、一気に自分の理想と現実を突きつけられることも多いようです。
多くの企業は、「自社内で活躍する人材育成を」との目的から研修を導入しているわけですが、会社の意向とは裏腹に、研修を通じて転職や退職の意識を固めるケースは少なからずあります。会社側にしてみれば、せっかくここまで育てた人材が外に流れてしまうことは損失ですが、本人にとっては、自分の今後の働き方を真剣に見極める機会になるのも事実です。
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