ついに憲法判断「再婚禁止期間」の争点とは? 知っておきたい「10の基礎知識」をQ&Aで解説

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

Q9 結局どんな判断が出そうですか?

「女性だけに再婚禁止を課している」という男女差別の問題、また民法上でも「80日間の齟齬が出ている」との観点から「違憲判断」が出される見通しです。

Q10 民法733条はどう改正すればいいと思いますか?

この問題に関して、私は以前から、「明治生まれの733条は現代に通用しない」「DNA鑑定のあるこの時代に、733条はまったく意味をなしていない」と常々訴えてきました。本来ははるか昔に、現状に即したものに改正されるべきものだったのです。

ちなみに欧米諸国でもかつてはこうした規定がありましたが、時代に合わせて撤廃・改正をしています。

では、どう改正すればいいのか? まず時代遅れの733条は完全撤廃するべきだと思います。なぜなら、離婚時に妊娠していない99.8%の女性たちにとって、婚姻の自由を奪われているからです。

また100日短縮案も無意味です。その計算式のもととなる300日、200日ルールについては法務省自らが否定する「民事局長通達」を出していること、また、推定が重なった場合は調停・裁判など司法の場で解決します。今までもそうだったし、これからもそう。敢えて法律を作る必要はまったくありません。

772条については、2項を廃止し、1項を「妊娠または出産」とすること、そうすることでスムーズに現夫との子供として出生届を出すことができ、無戸籍の解消にもつながります。

もし前夫の子どもかもしれないというのなら「認知調停」で決着をつければいいのです。

以上の解説と照らし合わせながら、本日12月16日の最高裁判断をチェックしていただくとわかりやすいと思います。政治や憲法に関する「基礎知識」を身につけておくと、日々のニュースがより立体的に、自分の頭で読みこなせるようになります。

私もこの歴史的な1日を、大きな期待を持って見守りたいと思います。

井戸 まさえ 政治家、無戸籍児家族の会代表

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

いど まさえ / Masae Ido

1965年、仙台市生まれ。東京女子大学文理学部史学科卒業。松下政経塾9期生。5児の母。東洋経済新報社勤務を経て、経済ジャーナリストとして独立。2005年より兵庫県議会議員を2期務め、2009年、衆議院議員に初当選。無戸籍問題をはじめ「法の狭間」で苦しむ人々の支援を行う。民主党東京第4区総支部総支部長。「『クローズアップ現代』“戸籍のない子どもたち”など無戸籍者に関する一連の報道」で2015年貧困ジャーナリズム賞受賞。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事