ついに憲法判断「再婚禁止期間」の争点とは?

知っておきたい「10の基礎知識」をQ&Aで解説

Q3 なぜ女性だけ再婚禁止期間があるのですか?

この規定が設けられているのは、「女性が離婚してすぐに再婚し、子どもができた場合、父親が誰かわからなくなるのを防ぐため」だとされています。

この733条には関連する重要な法律があります。それは民法772条です。

【民法第772条】
1項  妻が婚姻中に妊娠した子は、夫の子と推定する
2項 「婚姻した日から200日を経過したのち、または婚姻の解消・取消しの日から300日以内に生まれた子は、婚姻中に妊娠したものと推定する

 

つまり、

・離婚後、300日間は「前夫の子」と推定される
・再婚後、200日後に生まれた子どもは「現夫の子」と推定される
 

 

ということで、「離婚後301日以降に生まれれば前夫の子どもではない」「婚姻後200日目までに生まれた子どもは現夫の子ではない」ことを意味します。

Q4 最近ニュースになった俳優の大沢樹生さんのケースも、これに該当しますか?

まさに、そのとおりです。俳優の大沢樹生さんのお子さんの父親をめぐっての裁判が大きな話題になりましたが、この場合もこの規定で「200日」に生まれたため、「大沢さんのお子さんではない」という判断になりました。では、もし「201日」に生まれていたら? 仮にDNA鑑定が0%だったとしても、大沢さんの子どもとなったはずです。

「嫡出推定」って何?

Q5 なぜ再婚禁止期間は6カ月なんですか?

離婚後、すぐに再婚してしまうと、「嫡出推定」が重なってしまいます。これを避けるために6カ月という期間が設けられました。

ちなみに300日という前夫の嫡出推定期間ですが、現在では「妊娠期間は1週7日、40週=妊娠期間280日前後で生まれる」とわかっていますが、この法律ができたのは明治時代。「300日もあれば間違いないだろう」という解釈でこの数字が設けられました。

Q6 そもそも「嫡出推定」って何ですか?

嫡出推定とは「生まれた子どもの父親が誰か、とりあえず決める」ということです。

「扶養義務を負う父親を早期に決めて、親子関係を安定させることが子どもの利益につながる」という考えに基づいています。

ちなみにこの法律は1898(明治31)年にフランス民法をお手本に定められたものです。

DNA鑑定のない時代は、「生まれた子どもの父親は誰か」ということが客観的に証明できませんでしたから、フランスの医師たちの意見を聞いて大体の妊娠周期をもとにしながら、「父親の推定」のルールを決めたのです。

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