東芝、過去最高額となる課徴金73億円の意味 株主からも賠償請求、見えない最終損失額

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監視委から勧告の背景について詳細な説明や、企業に対するフォローは過去に前例がない。理由について、監視委の佐々木清隆事務局長は、「日本を代表するグローバル企業で問題が起きたこと、ガバナンス体制を取る会社で機能しなかったこと、ガバナンスに対する世の中の期待が高まっているため」と説明している。

課徴金の額が決定したことで、東芝も新たに動く。現在、西田厚聰氏、佐々木則夫氏、田中久雄氏の歴代社長3人と、元最高財務責任者の村岡富美雄氏、久保誠氏に合計約3億円の損害賠償請求を求めて東京地裁に提起しているが、「訴訟における請求額を拡張する」(東芝の佐藤良二監査委員長)。額については未定だが、この5氏にはさらに重い責任が課されることになるだろう。

株主からの損害賠償も相次ぐ

東芝に損害賠償請求を起こした株主の弁護士も会見を開いた

勧告と同じ日、個人株主ら50人も、東芝と旧役員5氏を相手取り、合計約3億円の損害賠償請求を東京地裁に起こした。個別の請求金額については明らかにしていないが、最高で1000万円を超える額になる株主もいるという。

12月14日には大阪で45人が合計約1億7000万円の損害賠償請求を起こす予定だ。その後も2016年3月頃に東京と大阪で、福岡や高松でも訴訟が予定されており、請求額はさらに増加する見通しだ。

いったんは落ち着いたかのように見えた東芝の問題だが、監視委からのフォローや個人株主からの訴訟など対応すべき問題は山積みだ。旧役員らに対して刑事告発される可能性も否定できず、一連の問題を巡る混乱は続くだろう。
 

富田 頌子 東洋経済 記者

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とみた しょうこ / Shoko Tomita

銀行を経て2014年東洋経済新報社入社。電機・家電量販店業界の担当記者や『週刊東洋経済』編集部を経験した後、「東洋経済オンライン」編集部へ。

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