「批評家」には退屈な仕事しか回ってこない! 累計6000万部を売った編集者の「仕事論」

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僕は朝から真夜中まで、何時間にも及ぶ打ち合わせを小説家さんといくつもこなしていますが、その場での禁句はまさに『ツーリスト的な発言』です。作家は論評を欲しいわけではありません。作品に生かすための、論評からさらに一歩踏み込んだ建設的な方向性を求めています。そして、それに応えるのが編集者の仕事です。

僕の経験則から断言しますが、ツーリストの周りには、自然と「つまらない仕事」が集まってきます。責任を意識できない人間は、「やりがい」も意識できないため、結果的に「つまらない仕事」を量産します。自分の周りに「つまらない仕事」を呼び寄せないためにも、『ツーリスト』にならないことを心がけましょう。

その3:軽く請け負ったことは、“すぐ”守るべし

「考えておきます」「あとでやります」「追って連絡します」……仕事ではよくこれらの言葉を耳にします。無難な表現ですし、「その場をやりすごす」のに最適ですから、つい口から出てしまいます。

しかし、これらの言葉を安易に使うと危険です。なぜなら、言った側の人間は軽く考えていても、言われた側の人間は意外としっかり覚えているからです。

僕も小説やアニメを複数のプロジェクトで回しているとき、この手の言葉ではぐらかすことがありました。「今さえしのげればどうにかなる」という甘い考えからですが、案の定、僕はそのあと自分で請け負ったことを忘れてしまいました。しかし、言われた側は「どうなっているのかな」とずっと返答を待ちわびていたのです。後日、「前に言った資料の件、どうなりましたか?」と小説家から質問されるも、完全に内容を失念していたせいで大きなトラブルに発展してしまいました。

猛省した僕はそれ以降、「考えておきます」「あとでやります」「追って連絡します」と言ったときは、忘れずに必ず実行する――だけでなく、“すぐに”やることを自分に課しました。

たとえば職場の上司や先輩から「もし準備出来そうならこの資料作っておいてくれない?」とお願いされ、僕が「わかりました、あとでやります」と答えたとします。答えた僕は「いつでもいいや」と思う一方、上司や先輩は「いつやってくれるのかな」とつねに気にしているでしょう。

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