「批評家」には退屈な仕事しか回ってこない! 累計6000万部を売った編集者の「仕事論」

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ですから僕は、これを逆手にとりました。「あとでやります」と言って、必ず“すぐに”やるのです。そうすれば、意外性を伴って「なかなか仕事ができるやつだな」という好印象を与えられるからです。「あいつけっこう使えるやつだ」と思ってくれたならしめたものです。

その先に「こいつとなんか面白いこと一緒にできないかな」「大事なプロジェクトだから彼をチームに加えよう」といった大きな展開が待っているかもしれません。こういった小さな積み重ねが、「つまらない仕事」をなくす行為だと僕は考えています。

その4:社内で『苦手なヤツ』をつくるな

僕は20代中盤の頃から十社を超えるメーカーと委員会を作り、そのリーダーとなってアニメプロジェクトをいくつも進めてきました。うまくいかないプロジェクトは「つまらない仕事」のひとつですが、なればこそ、そのチームの中に「苦手なヤツ」をつくらないようにすることが大事です。

これは僕がまだ新人編集者だった頃のエピソードです。

ある小説家の原稿が遅れに遅れ、締め切りまでの時間がいまだかつてない程ギリギリだったときです。印刷所から追い立てられ、編集長からも叱責される苦しい日々が続きました。しかしこの本だけは最後までやりきると決心し、とにかく各方面、あらゆるところに頭を下げ、どうにか完成させることができました。ようやく一息ついた僕は、当時の編集長に愚痴を言いました。

「本当に大変でした。各方面にも謝りっぱなしで、もう二度とやりたくありません……」

するとその編集長は、こう返しました。

「なんで? 本はちゃんと出るし、そもそも結果としても、君の思い描いたとおりになってるのに」

確かに、自分がやりたかったことは、きちんとその成果物に表現されていました。

そしてこの成果の陰には、僕がとことん苦手としていたデザイナーの尽力がありました。必死な状況下で、「とにかく力を貸してほしい」と頼み込んだ結果、そのデザイナーは何よりも優先して僕の仕事を手伝ってくれました。もっと前から相談しておけばこんなトラブルにならなかったのに……と悔やむと同時に、「苦手だからと後回しにしている」自分がとても「つまらない仕事」をしていたことに気づいたのです。

次ページでは、最後5つ目はこれ!
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