【キーマンズ・インタビュー】グローバル展開で半世紀超の歴史、キヤノンの人事施策とは--大野和人・執行役員人事本部長に聞く

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--最後に女性活用について教えてください。

女性活用では、女性管理職の比率や育児休業からの復帰率が取り上げられることが多い。まず育児休業だが、キヤノンは20年前から育児休業からの復帰に積極的に取り組んできた。国内工場には女性が多いので、復帰率の向上は経営課題でもある。実際、2011年に育児休業期間を終えた女性は126名いたが、全員が復職しており、女性の復職率の向上は成果を上げている。

次に女性の管理職だが、現在課長職以上の役職に就いている女性は60人だ。キヤノン本社の社員は約2万5000人であり、もっと多くても良いと考えている。女性のリーダー人材の育成と登用は、長期的な課題として取り組んでいく。

しかし、やむを得ない面もある。今年の新入社員は約400人だが、技術系が圧倒的に多く350人、事務系は50人だ。事務系は男女が半々だが、技術系は違う。

機械系、電気系と物理系が主たる採用対象だが、これらの学科は化学や情報系と違って女子学生がもともと少ない。キヤノンに入社する350人の技術系もほとんどが男性で、女性は数十名に過ぎない。女性の活用は必須であり、技術系においても女性の採用を増やす取り組みを行っていきたい。

大野 和人
執行役員 人事本部長。1980年神戸大学法学部卒業後、キヤノン株式会社に入社。1987年キヤノンU.S.A.,INC.出向、2003年人事部長、2004年ヒューマン・リレーションズセンター所長、2008年総務部長、2011年グローバル総務統括センター所長、2011年経理本部上席担当部長を経て2012年より現職。


(聞き手:HR総合調査研究所(HRプロ)ライター:佃光博=東洋経済HRオンライン)

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