海外投資家は、今回の押し目で買っている

2万円以下で買って2万5000円で売る作戦

株価は上げと下げのサイクルを繰り返して歴史を作っていく。上げのサイクルは、①景気経済・業績は低迷しているのに流動性供給による刺激策で支えられる、いわゆる「流動性相場」と、②それによって景気経済・業績が回復する「景気回復相場」に大別される。逆に下げのサイクルは、③その景気の過熱を抑えるために取る量的引き締めで失速する相場と、④その実態としての後追い的景気経済・業績の低下過程の相場に分かれる。

今の相場の位置は、どう考えても③量的引き締め相場でも、④その結果の景気経済・業績の低下相場でもない。デフレ脱却が出来るかどうかの段階では②景気経済の回復相場でもない。明らかに①流動性相場だ。どれだけ流動性を供給し景気刺激策を出しても、100%デフレ脱却の保証はない。しかし、デフレを脱却するまで日本経済の戦いは続く。その間、波乱はあっても株価の上げサイクルは続くことになる。

アメリカはリーマンショック以来7年間、QE1,QE2,QE3と量的金融緩和政策を出しながら①流動性相場を続けてきた。今回利上げ態勢に入ったので、③量的引き締めによる下げサイクルに入るという見方もできる。ただ、利上げがあってもそれはゼロ金利の解除であって、緩和的金融政策の変更ではない。ゼロ金利は緩和的金融政策の1つの手段にすぎない。

また、もしそれが量的引き締めだと言うのなら、①から③に移る前に②量的引き締めをしなければならないほどの、過熱的「景気回復相場」がなければならない。アメリカはいよいよこれから②に移っていくのだ。ただし、この②の相場はあまり長くないかもしれない。

買い材料と評価された米雇用統計

さて、目先の相場だが、週末の日本・アジアのショック安は欧州では引きずったようだが、アメリカで止まった。前段で述べたように、ECBの政策は追加緩和であることには変わりなく、現在の緩和的政策が更に延命されたのだと、わざわざニューヨークまで来て講演したドラギ総裁の努力が認められたようだ。また、注目の米雇用統計が予想より強い数字だったが、買い材料と評価された。利上げやむなしなら、景気指標は良いほうが望ましいということになる。

今週(12月7日~)発表される指標やイベントは、7日の景気動向指数、黒田日銀総裁講演、8日のGDP改定値(7~9月期)、景気ウオッチャー調査、9日の機械受注、マネーストック、10日の法人企業景気予測調査、11日のメジャーSQといろいろある。海外も、中国貿易統計、米レッドブック週間小売売上高、中国消費者物価・卸売物価、米週間新規失業保険申請件数、米小売売上高、ミシガン大消費者景況感指数が注目か。12日の中国鉱工業生産、小売売上高、都市部固定資産投資は来週の材料になる。

今週の日経平均予想レンジは1万9500円~2万0300円。ゆっくりいこう。

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