オリンパス社長・笹宏行「当たり前のことを実直にやれば、必ず復活できる」
──発表した中期経営計画で、本当に立て直せますか。
事業環境が急激に変わってきていることを踏まえ、将来的な成長の方向性を医療事業に定めた。映像などほかの事業領域については絞り込み、経営資源を集中させます。当たり前のことを実直にやっていけば、必ず復活できると確信しています。
2014年3月期までには2700人の人員を削減する計画ですが、そのほとんどは海外です。国内については、余剰になっている人員を整理する必要はありますが、医療事業を中心に増員も考えていきます。
──これまでは売り上げ至上主義に陥っていた面があったのでは。
確かに、一時は1兆円企業を目指すという社内の目標があり、拡大路線に傾いていました。当初は、映像事業などでカメラがフィルムからデジタルに移行し、順調に売り上げを拡大していきました。ところが、携帯電話やスマートフォンの機能が進化し、画素数も飛躍的に上がると、コンパクト型のデジタルカメラを買う必要性が低くなってしまった。その変化に対応し切れず、規模の拡大のみを目指して、過剰な設備投資をしてしまった面もありました。
内視鏡のシェア占有はセンサーにカギがある
──3月末で4・6%にまで毀損した自己資本比率の増強策は。
事業戦略の策定が第一で、必要があれば資本提携を検討すると以前から申し上げてきた。中計の実行に利するような資本提携を考えたい。いま相手先企業の提案内容を確認し、こちらの考えをお伝えするというやり取りが始まったところ。まずは10%が拡充のメドですが、条件面は今後の交渉で変わる可能性があります。
──資本提携先とは経営のシナジーをお考えでしょうが、特に医療事業では何が重要なのですか。
いろいろなパターンがあると思いますが、技術面では内視鏡で使われるイメージセンサーが重要です。なぜオリンパスが内視鏡で高い世界シェアを占有していられるのか。実はセンサーにカギがあるのです。