NTTドコモ新社長の加藤氏が就任会見--現状は80点、成長力を示したい
NTTドコモ社長に6月19日付で就任した加藤薫新社長は、20日に記者会見を行った。前任の山田隆持社長と同様、ドコモのコーポレートカラーである赤のネクタイで登場した。
加藤社長は今後の経営課題を「スピード&チャレンジ」と標榜した。自前主義にこだわり細かな作り込みをしてきたこれまでのドコモのサービスを「何人も握って手あかのついたおにぎりのようだった」と表現。今後は「他社とのアライアンスを強化しスピード感のある開発を進める」と話した。
一方で、中期的な戦略については「山田前社長時代に私自身が経営企画部長として中期経営計画を策定した。変える方がおかしい」として、従来路線の踏襲を強調した。
山田前社長の時代には、ソフトバンクがアイフォーンを導入。KDDIも田中孝司社長の就任以降、出遅れていたスマートフォンの分野で次々と新サービスを打ち出した。これにより現状はドコモから競合への顧客流出が続いている。会見では今後の契約者数増を目指す次世代高速通信LTEの「Xi(クロッシイ)」サービスで従来より月額料金が約1000円安い料金体系の導入(10月開始)も発表した。
「現状のドコモは80点から85点」と採点。契約者数では他社を圧倒的に引き離すドコモだが、株価は低迷を続けており、今年5月31日には上場以来の最安値を更新している。厳しい環境下での船出だが「さらに成長する企業であるということを示していきたい」と意気込みを語った。
(麻田真衣 撮影:今井康一=東洋経済オンライン)
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