「ローカル線に乗ってのんびりと車窓の風景を眺めるのは確かに楽しかったんですけど、いちばんつらかったのは、食堂でのたばこ」と嘆く。確かに、地方にある小さな飲食店では分煙への配慮が積極的に進んでいるとは言えない。
ジェーンさんは「ファミリーレストランならそれなりの分煙への取り組みをしているけど、私の目には全然そうには映らなかったわ」と指摘。「喫煙エリアの横に席に着くまでの順番を待つスペースが設けられているのは異常としか思えない」と厳しく批判した。
このように、訪日客の目には日本の分煙への取り組みは、不十分に感じられる。多くの飲食店は「喫煙する顧客」の存在を無視できないため、依然として喫煙エリアを大きく取っているお店も多い。
しかも、喫煙・禁煙席を分ける壁や扉の作りが不十分、もしくはテーブルが分けられているだけで仕切りの壁などが一切設けられていない店もある。つまり禁煙エリアにも煙が充満していて、まったく意味をなしていないわけだ。
外で吸えばいいわけでもない
また、自治体ごとの条例が分煙ルールをさらに複雑にしている。英国など欧州の国々のように「たばこを吸いたい時は外に出る」という具合にルールが単純ならばいいのだが、「路上喫煙禁止条例」を定めている自治体も増えているため、そういう街では顧客に対して店外で喫煙するように勧めるわけにもいかない。
ただ吸う人ではなく、吸わない人に対する配慮が非常に重要だ。訪日客の中には、想像できないほどに「嫌煙」を主張する人がいることを覚えておいたほうがいい。
日本の津々浦々にまで外国人が訪れるようになった昨今。訪日客が増えているお店なら、喫煙に対するルールを改めて考え直し、それを店頭に英語で明確に表示しておくといいだろう。「たばこを吸えるお店」なのか、あるいは「全面禁煙」のどちらかを訴えることによって、新たな客層へのアプローチが図れるかもしれない。
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