「べき論」を振りかざす人、押し付けられて苦しい人の両方に知ってほしい、「べき」を使わず意見を述べる言い方・考え方

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平野 まずは一歩を踏み出すためにどうしたらいいかを、頭を使って考えよう、っていうお話ですよね。

 そう、とりあえずやってみる。それでダメならやめればいい。1回の失敗ですべてがダメになるなんてことは、そんなにないと思うから、気楽にやればいいんじゃないかな。

逃げ道を塞がないことが大事

平野 私が最初に起業したのは大学院の1年生だった時ですが、むちゃくちゃ怖かったですね。

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今でこそ、「スタートアップ」はかっこいいイメージの言葉になっていますが、当時はまだそんな言葉もなくて。

 2005〜06年くらいですか? 当時だとベンチャー企業と言われていた頃ですかね。

平野 そうですね。

 ソニーの北野宏明さんに、同じところをぐるぐる回っているマグロみたいだって言われたというエピソードが本に書いてありましたね。

平野 はい、口では起業すると言っていたけれど、あまりに行動を起こさなかったので、葛西水族館の水槽をぐるぐる回っているマグロみたいだねと……。笑っていましたが、厳しい言葉でした。

 僕は武蔵野大学で伊藤羊一さんとアントレプレナーシップを教えているんですが、一歩を踏み出すのをためらう要素を消すということと、踏み出そうと思っている人の背中を強く押すことを大事にしています。

行動したからといって、死ぬわけじゃない。死んでない人がたくさんいる。これはありがたいことです。

平野 それはいいですね。私が起業したときは、周りにそんな人もいなかったし、起業というものがどういうことなのか、わからなかったんです。ただ、学生だったので、もしダメだったら就職しようというのが、心のセーフティネットでした。

 ダメだった時の逃げ道を塞がないというのは、すごく大事なことですね。退路を断ってとか、不退転の覚悟でとか思う必要もないし、それを押し付けてくる人とは距離をとったほうがいいと思っています。

平野 それが新しい呪いになりますからね。

(2回目に続く)

平野 未来 株式会社シナモン代表取締役社長CEO、シリアル・アントレプレナー

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ひらの みく / Miku Hirano

東京大学大学院修了。レコメンデーションエンジン、複雑ネットワーク、クラスタリングなどの研究に従事。2005、06年にはIPA「未踏ソフトウェア創造事業」に2度採択。2016年にAIエンジン開発を手がけるシナモンを設立。2021年より内閣官房新しい資本主義実現会議有識者構成員に就任。また、世界経済フォーラムが選出する世界に変化をもたらす40歳以下のヤング・グローバル・リーダーズ(YGL)の2022年度クラスに選出。三児の母。

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澤 円 圓窓代表取締役

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さわ まどか / Madoka Sawa

元日本マイクロソフト業務執行役員。立教大学経済学部卒。生命保険のIT子会社勤務を経て、1997年日本マイクロソフト入社、2006年にマネジメントに職掌転換。幅広いテクノロジー領域の啓蒙活動を行うのと並行して、サイバー犯罪対応チームの日本サテライト責任者を兼任。2020年8月末に退社。2019年10月10日より、圓窓代表取締役就任。2021年2月より日立製作所Lumada Innovation Evangelist就任。琉球大学、武蔵野大学にて客員教員を務める。著書に『個人力』『「疑う」からはじめる。』他。

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