「ライバルは現金」…PayPayが"キャッシュレス決済の覇者"に上り詰めた理由/100億円ばらまき、手数料ゼロの連打で「圧倒的1強」に
3月12日、アメリカのナスダック市場に上場した決済大手のPayPay(ペイペイ、詳細はこちら)。セレモニーで上場を祝うベルを鳴らした中山一郎社長は、国際デジタル通信(IDC)や一休、ヤフーを経て、PayPayの設立当初から社長として事業を率いてきた。近年では記者会見以外、めったにメディアの取材に出てこない中山氏だが、この日は満面の笑みで晴れ舞台に臨んだ。
PayPayは2018年6月、ソフトバンクとヤフーの合弁で設立された。今や登録ユーザー数は7300万人(26年3月時点)に達し、決済取扱高(GMV)は15.6兆円、決済回数は78億回超(いずれも24年度)を誇る。
取扱高10兆円までは5年で到達し、15年を費やした楽天カードと比べても、いかにスピードが速いかがわかる。MMD研究所によると、国内のQR・バーコード決済市場では2位の「楽天ペイ」(楽天)や3位の「d払い」(NTTドコモ)、4位の「auPAY」(KDDI)などを抑え、断然トップとなっている。
「100億円キャンペーン」連打の衝撃
なぜ後発のPayPayがここまで突き抜けることができたのか。躍進の軌跡を振り返ると、日本をキャッシュレス化の大波が覆う中、ソフトバンクグループが総力を挙げて展開してきた“振り切った”経営が見えてくる。

PayPayが国内で決済サービスを開始したのは18年10月。それより前、「PayPay」という名前にたどり着くまでには、紆余曲折があったという。
当時、ヤフー(現LINEヤフー)で決済事業を立ち上げようとしていたのが、いずれもヤフー社長になった川邊健太郎氏と小澤隆生氏。小澤氏は自著『起業の地図』(日経BP)で、二人が「ヤフーペイ」など数十の候補を挙げたが、ソフトバンクグループの孫正義社長に何度も突き返され、ようやく「PayPay」に決まった顛末を明かしている。
初期に最も効果が上がったのが、18年12月に展開した「100億円あげちゃうキャンペーン」だ。これはショッピングなどでPayPayを使って支払った場合、利用金額の20%を還元するというもの。例えば1万円買い物をすれば、2000円分のPayPayボーナスが還元される。40回に1回は全額(100%)還元もあった。
この大盤振る舞いは衝撃的で、キャンペーンを始めてわずか10日で100億円の枠を消化し、あっという間に締め切らざるをえなくなった。



















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