いすゞと日野、アジア苦戦でも好業績の理由 乗用車とは異なる、商用車の収益構造とは
空前の好業績を謳歌する日本の自動車メーカー。乗用車に限らず、商用車も活況に沸いている。
商用車大手・いすゞ自動車の2015年中間期(4~9月期)営業益は、前年同期比11.9%増の862億円で着地。ライバルの日野自動車も同9.8%増の542億円と好調だった。
乗用車メーカーが国内市場の縮小を海外販売の伸びでカバーしているのに対し、商用車メーカーの好業績を牽引しているのは国内市場だ。
東京五輪まで国内は安泰か
中でも伸びているのは、物流向けのカーゴトラック。商用車の平均寿命は13年から15年といわれる。今から十数年前といえば、東京都のディーゼル排ガス規制が強化された時期とちょうど重なる。その際に買い替えられた多くのトラックが今買い替え時期を迎えているのだ。
原油安も追い風だ。物流業者の燃料費負担が軽くなり、新しいトラックへ資金を投資するだけの購買余力が生まれていることも、買い替えを後押しする。
今後も都市部再開発や東京五輪に向けて建設需要は旺盛と見込まれ、建設事業者向けトラックについても大きく落ち込むことはなさそう。販売台数が大幅に増える市場ではないが、「年間のトラック全体(普通トラックと小型トラック合計)需要18万台が続く」と日野自動車の市橋保彦社長が言うように、安定したマーケットになっている。
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