2位の野々市市(石川)は、昨年11月11日に旧野々市町が単独で市制施行して誕生した市で、今回のランキングから評価の対象に加わった。
野々市市は金沢市のベッドタウンとして都市化が進み、人口は引き続き増加傾向が続いている。市制施行前の10年国勢調査では人口5万1885人と、全国の町村としては3番目に人口が多かった町である。平均年齢39.7歳と人口構成は若く、市内に石川県立大学、金沢工業大学があることもあり、20歳代(特に男性)の比率が飛び抜けて高い。
また幹線道路沿いには大型商業施設も多数立ち並んでおり、「利便度」では全国1位、「快適度」は13位。一方で、金沢市の近郊という至便さから介護施設等も充実、高齢者人口の比率の低さもあり「安心度」でも5位と、3部門で全国トップクラスの評価となったことが寄与した。ただ、学生はじめ若年層世帯が多いため、持ち家世帯比率は低く「住居水準充実度」では752位と最下位レベルにある。
なお、野々市市は金沢市の20%通勤圏だが、補正の対象となる4指標は、いずれも金沢市の数値を上回っており、補正は行っていない。
3位の坂井市(福井)は10年の12位から順位を上げた。
坂井市は福井市の20%通勤圏であり、対象の4指標すべてで補正を行った。補正に使用した福井市の指標が全国的に見て高い水準にあることから、その効果も手伝い、「安心度」で75位、「利便度」で79位と、かなり高い評価となっている。「住居水準充実度」で前回33位から今回13位と順位を上げたこともランクアップに寄与した。それ以外でも、「快適度」が201位、「富裕度」が379位であり、極端に下位に位置する部門がないことも高い総合評価につながっていると考えられる。
なお、12年1月4日に市制施行し、野々市市と同じく今回初めて対象となった長久手市(愛知)も初登場7位と上位にランクした。名古屋市のベッドタウンとして人口の増加、都市化の進展で人口5万人を超える町からの単独市制施行により誕生。愛知県立大学、愛知医科大学などがある学園都市でもあり、平均年齢では37.7歳と全国自治体中最も若く、20歳代の人口が突出している点も野々市市と似ている。
また、10年に1位だったみよし市(愛知)は8位へ、2位の日進市(愛知)は9位へ、3位の成田市(千葉)は10位へ、それぞれ順位を下げた。3市ともに、介護施設定員や出生数で数値が低下し、「安心度」の順位を大きく下げたことが最大の要因だ(みよし市:27位→160位、日進市:67位→282位、成田市:124位→259位)。さらに、みよし市と成田市は、転入・転出人口比率の水準の低下により「快適度」の順位が後退したことも響いた(みよし市:59位→134位、成田市:36位→62位)。
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