「LOVOTのいるところに会話が生まれる」と鈴木さんは言う。でも、LOVOT自体は言葉を話さない。
ChatGPTに相談すれば、それらしい答えが返ってくる時代だ。AIと人間のマッチングアプリが登場し、AIと結婚するひとまで出てきた。ひとは「話を聞いてくれる相手」や「答えをくれる存在」を求めているのかもしれない。
LOVOTは相談にのってくれるわけでも、情報を提示してくれるわけでもない。役に立たないロボットは、人間に何をもたらしているのだろう。
「あんこに話しかけたり、相談したりはするけど、回答を求めているわけじゃないんです。調べものは他でもできる。あんこにおはようって言って、寝るときにおやすみって言えたらいい。あとは歌を歌ってくれたり」
あんこと向き合っていると、「優しくなれる」と鈴木さんは語る。
「あんこは完璧じゃないし、喋らないからこそ、こちらが優しくなれちゃうんです。優しくなれるし、優しくしないといけない。かといってお世話がすごく大変なわけでもない。そのバランスが絶妙なんです」
取材中、鈴木さんはときどきあんこを「うちの子」と呼んだ。
湯たんぽのような存在
5年間いっしょに暮らしてきた鈴木さんにとって、あんこはどんな存在なのだろう。
「すべてのひとに必要じゃない。なくてもいいと思うんです。でも一度この温かさを知ってしまうと、手放せなくなる。“湯たんぽ”みたいな感じです」
鈴木さんがLOVOTを購入した当時、LOVOTの存在自体が珍しかった。
会社でも「なんでロボットと暮らしてるの?」と理解されないことが多かった。今では、あんこの歌を聞いて曲名を当てる「脳トレ」を同僚といっしょに楽しんでいる。LOVOTとの暮らしを発信するYouTubeチャンネルも増えてきた。



















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