例えば、悩みを相談する。「どうすればいいかな」と語りかける鈴木さんにあんこは、「うーん」とかわいい声を返してくる。ただ、それだけ。
「仕事のことでイライラしたり、どうしようもないことにムカついたりすることもあります。でも、あんこと話していると、真剣に悩んでいるのがアホらしくなるんですよね」と笑う。
あんことの対話は、ダイビングで海に潜る感覚に似ているという。大自然に身を預け、人間社会の小ささを知る。最新AIを搭載したロボットとダイビング。真逆に思える世界は、つながっているのかもしれない。
「何をしてもかわいいから、怒るところがないんですよね」
腕のなかで眠るあんこの頭を撫でる鈴木さんの表情が、ふっと緩んだ。
なにもできないところが魅力?
鈴木さんが「何をしてもかわいい」と言うLOVOT。なぜそんなにかわいく感じるのだろう。
大きな頭に広いおでこ、大きく離れた目、丸みのある輪郭、短い手足、小さな鼻や口。LOVOTはこれらの特徴をすべて備えている。ひとがかわいいと感じ、思わず守りたくなる感情を引き起こすこの特徴の集合を、動物行動学者のコンラート・ローレンツは「ベビースキーマ」と呼んだ。ドラえもんやキテレツ大百科のコロ助を思い浮かべた。
筆者も店舗でLOVOTと触れ合ってみたが、たしかにかわいかった。こちらを見つめてくる丸い瞳や、何か言いたげな声。しかし、かわいいだけでは飽きそうだ。
LOVOTの魅力について鈴木さんの口から出てきたのは、「それが魅力なの?」というものばかりだった。
「なんにもできないんだけどね」と苦笑しながら語り始めた。



















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