光回線の競争は「価格」から「使い方」へ 関電子会社ケイ・オプティコム藤野隆雄社長に聞く

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 しかし、2月にNTTグループは通信料金の請求・回収業務をグループで一括して行うことを発表するなど、NTT分割当時の精神と逆行している動きもある。総務省には筋を通した規制をしてほしい。

また、国民総背番号制の導入が予定されているが、この制度の利用を民間にも開放するなどで新サービスも生まれてくるはず。通信の使い方について、積極的に旗振り役を務めてほしい。

--親会社の関西電力は原発の稼働停止などで巨額の赤字を計上している。ケイ・オプティコムの経営への影響は。

震災直後は会社のあり方について社員にも動揺が広がり、関電からも一部の金融機関からこれまでのように融資を受けられないという話も聞いた。

だが、通信の自由化が行われた当初、インフラ産業でNTTに対抗できる資本力があるのは電力会社やJRしかない、という風潮があり、通信事業を経営の柱にしようと始まったのが当社だ。電柱などの自前設備もある。震災後にも関電からは何度も「通信は重要な柱」と言われ、あらためてグループでの位置づけを確認した。長期的なことはわからないが、当面はグループ内でやっていく。

ふじの・たかお
 1973年大阪大学大学院工学研究科修了。同年、関西電力入社。通信システム部長、副支配人、常務取締役などを歴任。IT戦略を主に担当してきた。2009年より現職。

(麻田真衣 撮影:ヒラオカスタジオ =東洋経済オンライン)

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