「猫を飼わない人は入居お断り」多頭飼い大歓迎! 保護猫36匹を救った不動産屋の"究極の猫ファースト"家づくり
そうして、36匹全頭の譲渡に成功。里親さんの元へ命をつなげることができました。同時に地域猫の母・父に避妊・去勢手術を施し、エリア内の猫の繁殖はやっと収まったのです。
日本は猫と暮らせる家があまりにも少ない
池田さんは、実際に36匹の譲渡を手がけたことで、見えてきたものがあったといいます。それが「保護猫活動の大変さ」でした。
「衝撃でした。『活動者さんは、こんなにもしんどい作業をしていたのか』と驚いたんです。外猫の捕獲と日々のお世話、病院への通院と労力は本当に大きい。しかも実費で行っているので、文字通り、時間もお金も猫のために削る活動でした」
猫を飼いたい人がいるのに、なぜ保護猫は譲渡されにくいのか。池田さんは保護猫活動を通じて、ある問題点に気づきました。それは「猫と一緒に暮らせる家が圧倒的に少ない」という事実です。
「“猫可”の住宅は本当に少ない。壁に傷などをつけられたくない、騒音や猫アレルギーなどの近隣トラブルを避けたいなどの理由から大家さんが猫の飼育を不可にしているところが多いんです。さらに、多頭飼いまでOKとなると選択肢はさらに厳しく絞られます。『猫を飼える家が少ないため、保護猫を引き取ってもらえない。ここを解決しないと、永遠にジレンマがつきまとうな』と思いました」
できる限り「外猫を保護してあげたい」と考えている人はたくさんいます。しかし、飼育阻害要因の第1位は住居でした(一般社団法人ペットフード協会『2024年 全国犬猫飼育実態調査』飼育阻害要因)。保護猫を飼うためには、前提として猫可の住居が必要です。しかし、持ち家であれば猫を飼えますが、賃貸の、しかも集合住宅だと、猫を飼いたくても飼えないのが実情です。
「猫可の家に住んでいない人には猫の譲渡はできません。保護猫団体の方は、里親希望者がどういう状況で飼育するのかを厳しくチェックしておられます。マンションのルールを破って飼われてしまうと、もしも、それがバレたときに、捨てられたり、保健所に持ち込まれたりしてしまう。最悪、殺処分となってしまう場合もあります。それでは意味がありません」
飼い主を求めていても、誰でもいい、というわけにはいかないのが難しいところ。そこで池田さんは、「猫を飼える賃貸住宅を増やそう」という考え方に舵を切ります。
「保護猫活動の入口である外猫の捕獲、日々のお世話や病院への通院、赤ちゃん猫にミルクをあげたりする活動は、保護猫団体さんや多くのボランティアの方々などが尽力されている。でも、不動産の分野からアプローチできるのは僕たちしかいない。だから僕らは『猫と暮らせる家をつくろう。猫可の家を増やそう。保護猫活動の出口である譲渡先を増やすことを担当しよう』と。猫が住める家が増えると、助けられる猫の数が増える。それもまた、保護猫活動の一環なんじゃないかって」



















