会見中には、宮崎県のキャンプ地からアンバサダーの渡辺謙がメッセージを送った。大変な入れ込みようで、1週間も現地に滞在しているという。
冬季五輪の放送から見えるもの
2月に始まったミラノ・コルティナ冬季五輪は、直前までは盛り上がりに乏しかった。高市早苗総理の自民党が大勝した衆議院選挙の衝撃の前に、かすんでいた印象だった。
しかし、開幕してからは尻上がりに日本中の注目を集めている。何といっても、日本選手が大活躍してメダルを量産したのが大きいが、放送のレベルも高かったと思う。
スノーボード男子ハーフパイプの中継を担当したTBSアナの熊崎風斗は、競技者の高難度の技をよどみなく次々と実況した。素晴らしかったのは、知識をひけらかす感じがまったくなかったことだ。情報を伝える技術者に徹していた。
それ以上に素晴らしかったのは各競技の「解説者」だ。ウィンタースポーツには「プロの解説者」はいない。指導者、先輩、同僚、ライバルだ。選手と最も近い位置で、選手たちの奮闘努力を見続けてきた人が、大舞台でのパフォーマンスを解説したのだ。
2月17日、『りくりゅう』の金メダルの実況は、木原龍一の以前のパートナーだった高橋成美の解説によって、かつてないほどの盛り上がりになった。
前日の大失敗を取り戻すべく、最初から思い切り飛ばした2人だったが、高橋の解説もエスカレートして「すごい……なんてすごい……すごいすごいすごいすごいすごいすごい!」と絶叫した。
しかし、その絶叫は誇張でも何でもなく、彼女の偽らざる気持ち、感動、驚愕が、そのまま口をついて出たものだった。
今回の冬季五輪の放送からにじみ出てくるのは、スポーツ、競技に対する純粋な「リスペクト」だ。
残念なことに、昨今の地上波民放の野球中継は、「野球をそのまま放送しても面白くなるはずがない、俺たちが面白くしてやる」みたいな姿勢がにじみ出ている。そのために大げさな惹句を連発したり、お涙頂戴の「感動ストーリー」を挿入して、視聴者を「試合に集中させないように」仕向けてきた。そのくどさとしつこさが、スポーツ好きの離反を招いていた。
Netflixは、アメリカでは人気がなかったモータースポーツの「F1」を一躍人気スポーツにするなど、卓抜したプロモーションと演出で実績を残してきた。日本の「ナショナルパスタイム」として親しまれてきた野球の「新たな魅力」をどのようにして掘り起こすことができるだろうか。
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