【りくりゅう金メダル】木下グループが17年支え続けたペア競技、世界を制する「独自の強化システム」に化けるまで

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23年世界選手権では、客席に青いタオルがずらりと掲げられ、りくりゅうペアの2人もそれを喜んだという。タオル購入者が希望すると自身の名前が掲載される特設ページを木下グループのウェブサイトに設けた。

タオルは税込3300円で販売。その売り上げは全額2人の活動支援金に充てられる。ファンが購入代金として支払った全額がそのまま2人に届く、つまり多く売れるほど木下グループが多くの費用を負担する仕組みだ。

24年12月には、バナータオル第2弾が3960円で発売された(第1弾同様、購入代金は全額りくりゅうに届く)。26年2月、五輪金メダル獲得を受けて、販売サイトにバナータオル第2弾の在庫追加が行われたが、すぐに売り切れ2月20日現在は「ただいま品切れ中です」の表示。そうした反響を受けて、過去にりくりゅうグッズとして制作したマグカップ(販売利益がりくりゅうに届く)の在庫販売を20日夕方に開始するなど対応に当たっている。

りくりゅうが五輪で見せた演技は多くの人の心を動かし、支援に直結する行動を促しているようだ。

五輪金メダルへの報奨金も検討

木下グループは23年4月、年間グランドスラムを達成した2人に1400万円ずつの報奨金を贈っている。そして26年2月、五輪金メダルへの報奨金についても検討しており、時期や金額について調整を進めているという。

23年の時点で、三浦璃来さん・木原龍一さんは注目度の高い選手であり、フィギュアスケートファンの間では「りくりゅうフィーバー」とも言えそうな状況だった。その熱気は26年の五輪金メダル獲得によってさらに高まり、いまフィギュアファンにとどまらない広い層の関心が、りくりゅうの2人や、カップル競技そのものに向けられている。

りくりゅうの五輪金メダルが決まり、喜びに沸く木下グループ広報に改めて話を聞いた。

「本当に、ただただありがとうという気持ち、うれしい気持ちです。社長の木下(直哉)も『2人にありがとう』と。木原選手の支援を、当社は2013年に始めました。なかなか結果が出ない時期もありましたし、一時は競技から退くことも考えたと聞きます。そうした中でも、諦めず、強い気持ちで頑張り続けて快挙を成し遂げてくれました」

ここに至るまで、木下グループは長年の地道な支援を行ってきた。フィギュアスケートには個人で賄うには重い費用がつきものだ。練習場所の確保や国際大会への出場費用、コーチやトレーナーへの支払いなど、何をするにもお金がかかる。選手が安心して競技に打ち込むために、支援企業が果たす役割は大きい。

同社は、所属選手への支援や、傘下の「木下スケートアカデミー」「木下MAOアカデミー」の運営を通じて、今後も日本フィギュアスケートのカップル競技の振興、ペア、アイスダンスの強化を継続していく方針だという。

山本 舞衣 『週刊東洋経済』編集者

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やまもと まい / Mai Yamamoto

2008年早稲田大学商学部卒業、東洋経済新報社入社。データ編集、書籍編集、書店営業・プロモーション、育休を経て、2020年4月『週刊東洋経済』編集部に。「経済学者が読み解く現代社会のリアル」や書評の編集などを担当。

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