オリンパスが中期経営計画を発表、医療事業を軸に17年3月期に営業利益1300億円目指す
精密機器大手オリンパスは8日、17年3月期までの中期経営計画を発表した。
今回発表した中期経営計画は、4月20日の臨時株主総会で承認された笹宏行社長を中心とした新体制が策定した5カ年計画。17年3月期に売上1兆1600億円、営業利益1300億円という数値計画を掲げている。これは08年3月期に達成した売上高1兆1288億円、営業利益1128億円を上回る過去最高の水準。
基本戦略として掲げるのは、「医療」「ライフ・産業」「映像」の3事業への経営資源の戦略的投下だ。なかでも医療事業については、収益源として中心的な事業としていくことを掲げている。一方で、これら以外の本業と関連性の薄い事業については、売却や、縮小・撤退を進めていく。
さらに、14年3月期までに海外を中心に国内外で2700人の人員を削減するなど、抜本的な構造改革も実行する。
また、今回の会見では、決算短信で未定としていた今13年3月期の通期の業績見通しも発表。売上9200億円(対前年比8.4%増)、営業利益500億円(同40.8%増)、経常利益210億円(同17.5%増)、当期純利益70億円(前年は489億円の赤字)とした。無配は継続する。
今期の業績を牽引するのは世界シェアトップの内視鏡を中心とした医療事業。この事業分野だけで、売上3830億円(前年比9.6%増)、営業利益750億円(同10%増)を見込んでいる。主力の消化器内視鏡では、次世代内視鏡システム「EVIS EXERA3」や、新興国向けの普及価格モデル「Axeon」など新製品が貢献。さらに、外科向けのエネルギーデバイス「THUNDERBEAT」も売り上げ増に寄与しそうだ。
また、前期107億円の赤字となった懸念の映像事業も、デジカメでミラーレス一眼、高価格帯コンパクトを中心にした商品構成に見直すほか、国内、海外の人員最適化などコストダウンを進め、10億円の黒字化を見込んでいる。