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中国で『名探偵コナン』が大炎上 「中国人のイチャモン」「的外れすぎる批判」とも言い切れぬ事情…日本への"ブーメラン"になりかねない?

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  • 西山 守 マーケティングコンサルタント、桜美林大学ビジネスマネジメント学群准教授
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すべての中国人がそうであるとは言わないが、アニメやマンガをはじめとして、日本文化が好きな中国人は多いし、反日意識が高いわけでもない。また、中国政府に対して反発を覚えている人も多いし、「自分たちがコントロールされている」という自覚を持っている人も少なくない。

それなら「なぜ反日的な炎上が起こるんだ?」「なぜ日本製品の不買運動が起きるんだ?」という疑問もあると思うが、同様のことは日本でも起きている。人口差による規模感や熱量が違うため、非対称的に見えるのではないかと筆者は解釈している。

愛国者が日本の“中国化”を加速させている?

さらに言えば、筆者には日本の“中国化”が進みつつあるように見える。

高市首相が総裁選の前に「外国人観光客が奈良公園のシカを蹴っている」という主旨の発言を行ったが、SNS上でそれを信じて外国人バッシングの投稿が巻き起こったことは記憶に新しい。

最近でも、大阪市西成区にあるモスクから流れる「アザーン(礼拝への呼びかけ)」が近隣住民への騒音被害をもたらしているという誤情報が拡散して、モスクやイスラム教徒に対する批判が高まっている。

さらに問題なのは、誤情報により排外意識をあおる政治家や候補者が出現しているという点だ。外国人に対する不安や不満がある人がいることは筆者も理解できるのだが、誤情報を拡散させたり、排外意識をあおったりする行為は問題であることを理解すべきだと思う。

現時点では、市民の不満や不安を候補者が吸い上げて選挙活動に利用している――という側面が強いかもしれない。しかし、それが加速すると、いずれ政治によって排外意識がコントロールされるようになりかねない。

要するに、「日本が中国と同じような状況になりかねない」ということだ。愛国心が強い人々がそれを助長させてしまうというのは皮肉なことではある。

「同じ穴のむじな」「ミイラ取りがミイラになる」ということわざがあるが、今まさに起きているのはそうしたことのように筆者には思える。

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