中国で『名探偵コナン』が大炎上 「中国人のイチャモン」「的外れすぎる批判」とも言い切れぬ事情…日本への"ブーメラン"になりかねない?

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今回の炎上の背景を、もう少し詳しく説明しておこう。

「ヒロアカ」が中国で批判されている原因は、本作の「志賀丸太(しがまるた)」という登場人物の存在だ。

この人物は、人体実験を行う医師なのだが、旧日本軍の関東軍防疫給水部(731部隊)が日中戦争中に行った人体実験の犠牲者を指す隠語が「丸太(マルタ)」であったため、中国人や韓国人から「歴史を侮辱している」といった批判が起きたのだ。

今回の件は、それがコラボした「コナン」に飛び火してしまったということだ。

コナン ヒロアカ
『名探偵コナン』と『僕のヒーローアカデミア』がお互いのメモリアルイヤーを記念して行われたコラボ。それぞれの原作者が相手の作品の主人公を描き下ろし、『週刊少年サンデー』『週刊少年ジャンプ』に掲載されるという(画像:アニメ『僕のヒーローアカデミア』公式サイトより)

「ヒロアカ」作者も版元の集英社も、政治的な意図はなかったに違いない。実際、この問題が起きた際に、集英社は謝罪し、コミック化の際に、当該人物の名前を変えるという対応を行っている。

しかし今回の炎上に対しては、「コナン」そのものには関係がなく、反中意識が強くない人でも、「叩かれる必要があるのか?」「過剰反応ではないか?」と疑問に思う人も少なくないのではないかと思う。

日本でもたびたび炎上している

日本で起きた類似事例から考えてみよう。

2015年8月9日、日本のディズニー公式Twitterアカウントが行った投稿が炎上した。アニメ『不思議の国のアリス』のイラストとともに「なんでもない日おめでとう」という文章を投稿したのだが、投稿日が長崎に原爆が投下された日であったことから、「被爆者を冒涜している」といった批判が起きたのだ。

批判を受けて、ディズニーは投稿を削除して謝罪を行った。この投稿も政治的な意図はなく、単なる不注意だったはずだ。投稿したのは日本人かもしれないが、一般的なアメリカ人からすると、8月9日と言われてもピンとこないだろう。

23年のハリウッド映画『バービー』と『オッペンハイマー』の公開時においても、アメリカでのSNS投稿が同様の物議をかもしたり、『オッペンハイマー』の作品内での被爆者の扱いが薄いことが批判されたり――といったことが起きた。

これらの騒動も、「政治的な意図はなかったが配慮に欠けていた」といったところであると思う。

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