楽天モバイル1000万回線は単なる節目ではない──三木谷浩史が描く「送客装置」としての通信事業と、楽天市場10兆円への設計図

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三木谷氏は「Amazonが最大の相手。Amazonが大勝ちするとみなさん困ると思う」と述べ、出店者との共闘姿勢を示した。

モバイル事業はその競争戦略の一部でもある。三木谷氏は「携帯料金が1世帯当たり30万円、40万円と上がっていくと日本の家が貧乏になってしまう。楽天市場で買うカネがなくなるし、楽天トラベルで旅行するカネもなくなる」と述べた。通信料金を下げて消費余力を生み、その分を楽天経済圏で使ってもらう狙いだ。

10兆円への2本柱

三木谷氏は流通総額10兆円の達成に向け、「AIの超活用」と「モバイルエコシステムの拡大」を2本柱に掲げた。

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楽天は国内EC流通総額10兆円を目標に掲げている(筆者撮影)

AI活用では、楽天市場アプリに搭載した「AIコンシェルジュ」の効果を示した。商品の比較から購入決定までの時間が43%短縮され、平均購入金額は41%向上したという。

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三木谷氏は10兆円達成のキーワードとして「AI超活用」を掲げた(筆者撮影)

一方で、モバイル事業は依然として赤字が続いている。三木谷氏は講演でこの点に直接触れなかったが、流通総額への貢献度や若年層の獲得といったデータを示すことで、モバイル事業の戦略的価値を訴えた格好だ。

楽天モバイルの1000万回線は、通信事業者としては後発の立場を脱していない。しかし三木谷氏の視点では、その1000万人は楽天経済圏の「上顧客」候補であり、店舗への送客を担う存在でもある。赤字事業と見られがちなモバイル事業を、成長投資として再定義する試みが進んでいる。

石井 徹 モバイル・ITライター

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いしい とおる / Toru Ishii

1990年生まれ。神奈川県出身。専修大学法学部卒業。携帯電話専門媒体で記者としてのキャリアをスタート。フリーランス転身後、スマートフォン、AI、自動運転など最新テクノロジーの動向を幅広く取材している。Xアカウント:@ishiit_aroka

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