楽天モバイル1000万回線は単なる節目ではない──三木谷浩史が描く「送客装置」としての通信事業と、楽天市場10兆円への設計図

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具体的な数字も示された。牛丼チェーン「松屋」を運営する松屋フーズの楽天市場店では、新規顧客の45%がLink経由だという。アパレルブランド「HUG.U」でも新規の37%がLink経由で流入している。

Linkにはリマインダー機能があり、過去に購入した商品やカートに入れたままの商品をワンステップで購入できる。

楽天は出店者にもモバイル事業への協力を求めている。「パートナー様向け紹介プログラム」として、店舗が顧客に楽天モバイルを紹介し、契約に至った場合は1万4000ポイントの報奨金を支払う仕組みを用意した。

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店舗が楽天モバイルを紹介すると最大1万4000ポイントが付与される仕組みを導入した(筆者撮影)

コーヒー専門店「澤井珈琲」の澤井理憲常務取締役が登壇し、自社の取り組みを紹介した。同社はまず全社員100人に楽天モバイル端末を配布。その後、商品発送時に紹介チラシを同梱し、コーヒーのドリップバッグにもQRコードを印刷して楽天モバイルへの導線を設けた。

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澤井珈琲はパートナー紹介プログラムで760回線を獲得した(筆者撮影)

1年間の取り組みで760回線の契約獲得につながったという。さらに、紹介経由で契約したユーザーは、澤井珈琲の楽天市場店での年間購入額が23%高いというデータも示された。モバイル契約を起点に、店舗のリピーターを増やす循環が生まれている。

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紹介プログラム経由で楽天モバイルを契約した顧客は澤井珈琲での購入額が23%増加した(筆者撮影)

福利厚生としての「定着効果」

三木谷氏は企業の福利厚生としてのモバイル導入も推進している。「楽天モバイル職域プログラム」として、従業員向けに特別プランを社内で申し込めるサービスを展開する。

講演では居酒屋チェーン「世界の山ちゃん」を運営するエスワイフードの事例が動画で紹介された。同社は福利厚生として従業員にモバイルルーターを配布。従業員が自宅のWi-Fi契約を解約し、モバイルルーターで生活できるようにした。

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福利厚生で楽天モバイルを導入したエスワイフードの事例がビデオで紹介された(筆者撮影)

結果として離職率が25.7%から6.5%に低下したという。ビデオに登場した同社の担当者は「家のWi-Fiを解約してモバイルルーターで生活すると、やめたらまたWi-Fiを契約しなければいけない。そのめんどくささが効果的だ」と語った。

飲食業界は慢性的な人手不足に悩まされている。三木谷氏は「少子化でますます人手不足になる。企業側は福利厚生になり、従業員には所得向上になる」と述べ、他の施策より有効だったと強調した。

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