「壮絶なアトピー体験」を"お笑い"に昇華――かき傷で全身血だらけ、食べられる食材はたった3つ。34歳全身タイツ芸人がそれでも持ち続けた"夢"

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最後にアレルギー専門医に診てもらったのは、取材時の1カ月ほど前。

「今は半年に1度ぐらい診てもらっていますが、それまでは毎月行っていました。頭から足の先まで塗りたくる薬と保湿剤を毎回、袋にパンパンに詰まるくらいの量をもらっていました」

今でもアレルギーが完治したわけではない。アレルゲンを避ける、摂取量を抑えるなどセルフケアは必要だ。

現実を遮断したくなったら…

ひとしきりお笑いライブのように人生をふり返ってくれた、ちびシャトルさん。最後にポツリ「生きてくのがもう限界、と思うことも数回ありましたね」と漏らした。

「明日起きたらもう消えていたい」「明日が来なければいいのに」と、目の前の現実を遮断したくなりそうなときにこそ救われていたのは、日々の小さな幸せだったという。

「“明日も近所の猫に会いたいな”とか、“この好きな食べ物いつか食べてみたいな”とか、想像する。こうやって楽しみを自分で作る。すると“もう少しだけ頑張ろう”、“明日1日過ごしてみたら、気持ちが変わるかもしれない”と思えるんです」

日々の楽しみは、マイナスな気持ちや行動の増幅を引き止めてくれる。

「脳内がすべて“それ”になってしまうから、症状のことばかり考えない。カラ元気でもいいからバカみたいに笑う。こうした自分の心身をケアする“心の保ち方”を持つようにしています」

これまで誰か・何かの元気に引っ張られて、自分も元気になれていた。だから、自分もお笑いを通じて “誰かを引っ張る存在”でありたい――。

アレルギーの数々で悩んでいるときに身にまとったゴーグルや全身タイツ。身を守るモノだったそれらが、人を笑わせるモノへと変わる。アレルギーを克服した、ちびシャトルさんのこれからの活躍に注目したい。

「誰かを引っ張る存在でありたい」と、ちびシャトルさん(写真:今井康一)
永見 薫 ライター

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ながみ かおる / Kaoru Nagami

1982年生まれ。兵庫県出身、東京都在住。大妻女子大学比較文化学部比較文化学科卒業。中国と日本の女性史を中心に比較文化学を学ぶ。複数の企業勤務を経て2014年よりライター。主な執筆テーマは在学中より関心の高かったジェンダーや多様性のほか、働き方、子育て、まちづくり。1児の母。Twitter:kao_ngm

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