伊藤園の決算日は4月、アパレルの決算日は2月なのはなぜ?決算日を深掘りすると見えてくる、業界ごとのユニークな事情
また、多くの企業が同じ時期に決算日を設定した背景には、いわゆる「総会屋」の存在がありました。総会屋とは、株主の立場で上場企業に圧力をかけて利益を得ようとする反社会的存在です。
会社の弱みやスキャンダルなどを握っている総会屋が、株主総会で質問や発言をすると、企業に都合の悪い展開になりかねません。
「それがイヤなら金を出せ」というわけで、コンサルタント料や雑誌の購読料などの名目で、企業に多額の要求をする総会屋も少なくありませんでした。
戦前の日本では企業に年2回の定時株主総会が義務づけられていて、当時、各社の総務部は総会屋対策がもっとも重要な仕事でした。
1950(昭和25)年の商法改正の際、企業経営の合理化を促すために定時株主総会が年1回でよいことになりましたが、そこには総会屋対策の側面もあったのではないかと思われます。
しかし年1回でも、総会屋対策は企業にとって大きな負担です。それを排除するには、どうするか。
総会屋は複数の企業の株式を持っていますが、各社が一斉に株主総会を開催すると、そのうち1社の総会にしか出席できません。そして株主総会は、決算日から3か月以内に行なうことが法律で決まっています。
そのため多くの会社が決算日を3月にして、それから3か月後、6月下旬の同じ日に株主総会を開くようになったのです。
小売業が2月に「決算セール」をやる理由
さて、日本で3月決算に次いで多いのは、12月決算の企業です。これは国際基準に沿ったものですから、多いのは当然といえます。
もっとも、国際会計基準を使っている企業が少ないこともあって、その数は520社程度にすぎません。
その次に多いのは2月決算で、こちらは208社あります。
「年度末」でも「年末」でもない時期にこれほどの会社が決算を行なっているのは、不思議に思われるかもしれません。
でも、そこには合理的な理由があります。
2月決算の企業を見ると、ローソン、しまむら、西松屋チェーン、イオン、キャンドゥ……などなど、大半が小売業。とくにアパレル業界は、ほとんどが2月決算です。それはなぜなのか。


















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