1位は、あさひ。自転車販売の専門店を展開している。算出対象企業では唯一、8月中間期の実績が通期計画を超えた。
中間期の既存店ベースの売上高は前年同期比0.3%減。全体の売り上げも会社見通しを下回った。が、好採算・高単価のスポーツタイプの自転車が好調な売れ行きを示したことで、営業益は同18%増の33億円。従来計画(30.7億円)を上回る着地となった。
月間売上高もチェックすべし
2位は、九州を地盤とする家電量販店のベスト電器。進捗率は100%近くに達したが、前年同期比では営業減益だった。
小売業の業績をチェックする際には、多くの企業が自社のホームページなどで公表している、月間売上高にも目配りが必要だ。ベスト電器の場合も、月間売上高を確認すれば減益の背景が見えてくる。
昨年3月は翌4月の消費増税直前の駆け込み需要が拡大。今年3月の直営既存店の売り上げはその反動で、前年同月比37%減と大幅に落ち込んだ。4月以降はプラスで推移したが、3月のマイナス分を取り戻せなかった。
3位は、岡山に本社を構えるホームセンターのリックコーポレーション。8月中間期の営業益は前年同期比49%増と大幅増益を達成した。
牽引役はペット事業だ。既存店売り上げが4月から前年同月を上回って推移。主力のホームセンター事業の売り上げも、7月から前年同月比でプラスに転じ、収益を下支えした格好だ。
業績が好調かどうかを判断する物差しとして、進捗率を用いる場合には、過去の実績との比較も重要だ。
あさひの14年8月中間期営業益の15年2月期通期営業益に対する進捗率も116.4%と100%超。下期(14年9月~15年2月)は営業赤字を計上したわけだ。
自転車の需要期は夏場。雪の積もる冬道の走行は危険を伴うため、売れ行きが鈍るのは想像にかたくない。こうした「季節性」なども考慮、進捗率が高いという理由だけで「上方修正は必至」と安易に判断するのは避けたい。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら