現地時間2022年12月15日、本拠地のフェンウェイ・パークで入団会見が行われた。若干の緊張をたたえつつ、それでも終始笑顔の絶えない会見となった。 この席上、吉田はこんなことを述べている。
「英語は話せないので緊張しています。英語を学んで、娘より早く話せるようになりたいと思っています」
会見に集った記者たちは好意的な態度で、日本からやってきた「大物新人」のことを迎え入れていた。記者たちを前に、吉田が力強く意気込みを語る。
「自分の長所は打撃。今までもチームを勝利に導くことをテーマにプレーしてきました。引き続き、そういう活躍ができればいいと思っています。ワールドシリーズチャンピオンの一員になれるよう、精一杯頑張りたい」
はたして、自身が追い求めてきたバッティング技術は世界最高峰のメジャーリーグでも通用するのか? メジャーリーグの名だたるピッチャーに対して、日本同様に豪快な一発を放つことはできるのか? ついに、吉田の新たな挑戦が始まったのである。
通訳が語る「アメリカの吉田」
「メジャー初年度の2023年、僕はチームにはいなかったですけど、2024年のスプリングトレーニングが始まると、多くの選手たちが〝マサ、ウェルカムバック!”と正尚さんのことを迎え入れていました。その光景を見ていると、〝あぁ、完全にチームに溶け込んでいるんだな”と思いましたね」
2024年シーズンは右肩の故障に苦しんだ。自分が思い描いたようなプレーができず、ベンチを温める機会が増えていく。結果的にこの年のシーズンオフに手術を決意するほど、ベストコンディションにはほど遠い状態が続いた。順風満帆な1年目を過ごしていただけに、2年目の試練は厳しかった。
「満足なプレーができないこと、先が見えないリハビリが続くこと、当然、正尚さんも辛かったと思います。でも、まったくそんなそぶりは見せなかったことに驚きました。多少の苛立ちや焦りもあったのかもしれないけど、僕にはまったくそれらは感じられなかった。毎日、黙々と普段通りの練習をしている姿を見て、〝一日でも早く復帰されたいんだな”と思いながら見守っていました」
内窪氏も同様の発言をしているが、山口氏が驚いたのは「試合前の準備」だった。
「シーズンを通じてコンディションが万全ではなかったので、毎日の身体のケア、メンテナンスに十分に時間をかけて取り組んでいる姿が印象的でした。試合前の準備は本当に入念で、決して怠らない。どんなことをなすにしても、準備がおろそかでは決して結果は出ない。本当に一流の方は、ここまで念入りに準備をするものなんだ。正尚さんの姿を見ていて、そんなことを学びました」
レッドソックスで「マッサージセラピスト」の肩書きを持つ内窪信一郎氏も口をそろえる。


















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