“切り餅特許戦争”が第2ステージへ 越後が新たに提訴、サトウも反撃に自信満々
第二訴訟は、対象製品を第一訴訟で対象にした製品以外のものに拡大、今回新たに対象にした製品についての4月27日までの損害賠償を求めている。加えて、第一訴訟対象製品についての11年11月1日から今年4月27日までの損害賠償も求めている。第一訴訟では11年10月31日までの損害額しか主張していないからだ。これらを合計、総額約19億円の損害賠償を求めている。
サトウのダブル敗訴の確率は99.9%?
「知財高裁で和解していたら、19億円を追加されることもなかっただろうに、愚かな選択をして傷口を大きくするリスクを背負い込んだ」(知財訴訟に詳しい弁理士)。第二訴訟に対し、知財の専門家からはサトウに対してこのような厳しい意見が出ている。
知財訴訟に詳しい上山浩弁護士は「99.9%サトウに勝ち目はない」と見る。最高裁で審理をしてもらえる理由は限られている。
「まず、第一訴訟については、上告理由書などを見たわけではないが、最高裁で審理がなされる論点を含む事案ではないと考えられるので、半年程度で上告不受理の結論が出されれば、その時点で知財高裁の判断が確定する。したがって、第二訴訟においても、第一訴訟の対象だった製品については、地裁は最高裁の判断が出たあとに、その判断に沿った結論を出すことになる。
次に、第一訴訟の対象ではなかった製品については、一からの審理になり、理屈のうえでは第一訴訟の最高裁判断に地裁が拘束されることはない。とはいえ、製品名が異なっても、スリットの入り方が同じなのであれば、地裁は第一訴訟に沿った判断を下す可能性が極めて高い」という。
つまり第一訴訟は早晩最高裁が上告不受理を決定して知財高裁の判断が確定。第二訴訟も地裁の敗訴はほぼ確実で、第一訴訟での結論が影響して控訴、上告をしてもまずサトウの主張は通らず、サトウはダブル敗訴に至る、という見立てだ。