学生の青田買いから青田創りに向かう企業の本音 「世界で勝てない!」日本企業の採用の焦り
この課題を乗り越える鍵となるのが、「N対N」の発想である。多数の企業と、多数の教育機関が連携する体制をとることで、公共性や中立性が担保され、連携へのハードルが一気に下がる。こうした仕組みであれば、行政も参画しやすくなる。
この「N対N」の枠組みを支えるためには、連携の“ハブ”となる中立的な存在が不可欠だ。もし特定の企業が前面に出すぎると、採用目的の色合いが強くなり、誤解を生むリスクがある。だからこそ、筆者はそうした中立的役割を果たすための組織として、エッジソン・マネジメント協会を立ち上げた。
なお、当協会の取り組みでは、学生の連絡先を企業側に提供していない。そのため、直接的な採用活動にはつながらないのだが、それでも多くの企業が継続的に参画している。
共に育て合う「青田創り」こそが、未来を拓く力になる
その背景にあるのは、「人づくりは社会づくりであり、結果として自社にも還元される」という確かな確信である。実際、参加企業の中からは「良い学生が育ってくれれば、自社に入社しなくても構わない」といった声も聞かれるようになってきた。
もちろん、企業にとってわかりやすいメリットもある。「青田創り」の活動は、学生と真摯に向き合う過程を通じて、社員自身の成長やエンゲージメント向上につながる。こうした社員の育成やリテンションの機会として、本取り組みに参画している企業も少なくない。
これまで日本企業は、危機感を抱きつつも、まだ必要な人材を確保することができていた。しかし近年は、採用の厳しさが着実に増している。そうした中で、「このままでは世界で勝てなくなる」という危機感から、「青田創り」に本気で取り組む企業が現れている。
資源に乏しい日本にとって、最大の競争力は「人」にある。人口減少が進む今、社会は「一騎当千」の力を持つ人材を、かつてないほど必要としている。そうした人材は、偶然に育つものではない。経験と周囲の関わりの中で育まれる。
だからこそ、人材を奪い合う「青田買い」ではなく、社会全体で次世代の人材を育てる「青田創り」が必要なのだ。目的に尖った人材=エッジソンを育む取り組みこそが、日本企業がこれからも世界と向き合い続けるための鍵になるだろう。
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