学生の青田買いから青田創りに向かう企業の本音 「世界で勝てない!」日本企業の採用の焦り
つまり、これからの時代に必要なのは、言うなれば短期的・狩猟的な、「青田買い」ではなく、長期的・農耕的な「青田創り」である。企業が教育機関や地域と連携し、未来を担う人材をともに育てていく姿勢が求められているのだ。
こうした「青田創り」の仕組みを実現するために、筆者は2022年にエッジソン・マネジメント協会を設立した。企業や教育機関、官公庁と連携し、高校生や大学生に対してエッジソン育成の機会を提供している。
次世代共創リーダー育成プロジェクトとは?
代表的な取り組みのひとつが、次世代共創リーダー育成プロジェクト「Co-Lab Gears(コラギア)」である。これは、社会人がメンターとしてつき、約8カ月にわたって学生のリーダーシップを育む実践型プログラムだ。
日立製作所、パナソニックオペレーショナルエクセレンス、京セラ、清水建設、川崎重工業、みずほフィナンシャルグループなど、計14社が支援企業として参画している。
参加学生はチームを組み、社会課題解決に向けたテーマを自ら設定し、構想から実行までを一貫して取り組む。企業の社員が伴走することで、現実的な視点と実践的な学びが得られる構成になっている。
2025年の大阪・関西万博では、コラギアの参加学生による成果発表の場が設けられ、15チームがコンペ形式でプレゼンテーションを行った。優勝した「学生団体OLEA(オレア)」は、「新しい防災の文化を創造する」をビジョンに掲げ、防災グッズを「大切な人を守るプレゼント」と再定義。
商品の企画・開発に加え、百貨店やイベント、ECサイトでの販売まで、自ら手がけている。このように、コラギアをきっかけに学生団体を立ち上げ、リーダーシップを発揮し、関係者と連携しながら社会に実際の変化を生み出す学生も現れている。
こうした若者育成の取り組みを進める中で、「結局のところ、それは“超・青田買い”ではないのか」という指摘を受けることもあった。取り組みが特定の企業の採用を目的としていると受け取られてしまえば、“公共性”を欠くと見なされ、産官学連携は難しくなる。
実際、個別の企業と教育機関が連携しようとする際には、「なぜその大学なのか」「なぜその企業と組むのか」といった説明が、双方に求められる。この説明の難しさが、従来の産学連携を阻む大きな壁となってきた。


















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